2016年12月17日土曜日

イペー:タベブイア・アルバの発芽状況

  2016年12月2日に播種したタベブイア・アルバ「JS121117-2」の12月17日の様子を動画でご紹介します。15日間の室内管理で立派に成長しました。

2016年12月16日金曜日

霧島の雪景色 その2

 今日も霧島を歩きました。昨夜の少しばかりの降雪が木々に付着して昨日の樹氷風景とは違った姿になっていました。晴天でしたが、気温はぐっと下がって零下4℃くらいで、雪が溶ける気配はありません。2日連続で美しい風景を見ました。(写真はクリックで拡大します
白紫池からの白鳥山頂上
白紫池からの 韓国岳

 えびの展望台からの韓国岳・左端に硫黄山の噴気、半径1Km立ち入り禁止










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2016年12月15日木曜日

霧島の雪景色

 今日も霧島の韓国岳の麓を歩きました。池巡りコースの標高1,300m付近で素晴らしい霧氷を見ました。7月21日からほぼ毎日頑張ったご褒美に思えました。
 一昨日から硫黄山の微振動が激しくなり、地盤の変化もみられるとのことで、半径1Km以内は立入り禁止になり、歩行ルートを変えざるを得なくなりました。(写真はクリックで拡大します)
白紫池
 白紫池
韓国岳
 硫黄山の噴気 :急激に激しくなってきた

2016年12月5日月曜日

耐寒性最強のイペー探索:2016

 2000年から、約60種類のイペーを試験栽培して、日本全国に展開できるイペーの開発に努めています。今年も終りが近づきましたので現在の最優秀品種を記録します。
 耐寒性に関しては、クリチーバ市(標高930m)産の タベブイア・アルバ(T.alba・ロットNo.「121117」)がダントツです。タベブイア・アルバという樹種の中でも、個体間で耐寒性など、その性質に大きな差があります。
 2016年春のクリチーバ市は天候不順で、街路樹のイペー達がバラバラと咲き始めたものの、殆どの蕾が開花しないまま枯れてしまいましたが、この親木だけは見事に満開したとのことです。
 前田農園で、その木の種子を2012年11月に播種したものが約20本樹高約3mに育っています。花蕾が1個だけ昨冬の零下9.1℃に耐えて春に膨らみ始めたのですが、幼樹のためかアボートしました(最後の写真:詳細は次を参照・http://kirishiman.blogspot.jp/2016/04/blog-post_12.html)。
 昨年暮に播種したサンジョアキン市産やポルトアレグレ市産のT.albaの中からこれを抜く樹種が出るかどうかを見守っています。
 以下は「JS121117」の親木の写真です。

 


 
前田農園で2016年4月撮影・零下9.1℃に耐えた蕾


2016年12月1日木曜日

タベブイア・アルバの挿し根の銀葉化

 今年の4月18日に挿し根をした12本のイペー、タベブイア・アルバ「JS121117」が全て半年で銀葉化しました。東京都の神代植物公園殿にお届けした2本の苗の不要根を挿したもので、来春すべてを常総市にお届けする予定です。樹高は約1mで、下から3段目以上の葉が全て銀葉化しています。
 播種からの生育では、銀葉化は大半が2年目から始まり、2年目では全部が銀葉化し終わらないようです。
 銀葉化は木の成熟度合を示すと考えられますので、挿し根の場合は開花時期が格段に(播種に比べて2年程度)早まると考えられます。挿し木の場合に関しては未確認です。

 上のイペーをお届けする予定の常総市の4月の「日最低気温」の記録で
す。

2016年11月26日土曜日

捨てたイペーの幹の切断片から発芽-その後の記録

 2016年6月28日にタベブイア・アルバ「JS121117」(樹高約2.5m)の根廻しをしたがその後の活着が悪く、8月3日に幹の枯れた部分を切断した。その際に発生した切断片を草藪の中に捨てていたものが、約3ヶ月後の10月28日に発芽を確認したもの達の11月26日の様子です。
 記録「その1」は「http://kirishiman.blogspot.jp/2016/10/blog-post.html」をご参照ください。

 下の写真説明:
①-1:根廻しの植え替えに失敗して根本迄枯れ下がったので幹を切断したもの。見事に復活。このようなものが12本ある。
①-2:切断片から発芽していたので、10月28日にここに植えた。
②-1:根廻しの植え替えに失敗して根本迄枯れ下がったので幹を切断したもの(2本目)。
②-2:②-1の切断片を10月28日に確認したら幹に生きている部分があったので2個に切断して植えた(挿し木)。2本とも約1ヶ月後にみごとに発芽。
 根廻しをした24本中12本は無事活着し、12本が活着不良で、これらはすべて枯れた部分の直下で切断し、全てが胴吹きして復活した。切断片からの偶然の発芽で3本増えた。太い幹でも簡単に挿し木ができるところは、ドラセナ(幸福の木)並みか、それ以上かもしれない。






有隅先生のコメント:
送信日時: 2016年11月27日 15:34

前田さん 
     有隅です
 気付いたら、イペーの空中挿しが出来ていた――今回のブログは、大変面白かったです。
 かつてア国の東北部の乾燥地帯で、巨大な芋状の肥大根を持ったイペー実生を見て、何だコリャーと驚きましたが、根に不定芽形成能があったり、特殊な技を身に着けた植物――それがイペーだったのだと納得しています。









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2016年11月20日日曜日

中平マリコさんが前田農園をご視察

 2016年11月20日午後、中平マリコさんがご母堂共々前田農園を視察されました。全国展開を目指して試験栽培されているイペーの現場を是非確認しておきたかったとのことです。
 大変安心して頂きました。



2016年11月16日水曜日

山では挨拶をしよう

  南日本新聞への投稿文です。原文では、最後に「人と出会って挨拶をしないのは泥棒の始まりだ」と書いたのですが、削除されました。
 あくまでも山中での話です。たった1秒の挨拶で、お人柄が覗えることもあります。

2016年11月10日木曜日

イペー Nossa Senhora da Luzに着蕾

 クリチーバの Nossa Senhora da Luz 産のイペーアマレーロ(2015年12月4日に播種)が7本育っていますが、成長が遅くチビの1本を除いて6本(樹高1m前後)に着蕾しました。播種後1年弱で数本が2段着蕾していますので、成木になれば3段以上の着蕾が期待できそうです。問題は耐寒性です。池田さんのコメントに、小木、大輪のポンポン花、葉裏緑とあります。
 わずか7本の中に、葉性が明らかに異なるものが3種類出てきました。3枚目の写真の「その1」(1本:1.2m)、「その2」(1本:50cm)、「その3」(5本:0.4~1.3m)で、3種類とも着蕾しています。 
 


  以下の3枚の写真で Nossa Senhora da Luz の親木の半年おきの姿が確認できます。  
 (2016年9月21日池田さん撮影) 
 南側から(2016年3月撮影):google earth


   北側から(2015年11月撮影):google earth
  Nossa Senhora da Luz とは「光の聖母」(下の写真、Wikidediaより引用)という意味で、クリチーバ市の通りの名前になっています。素晴らしい名前の場所出身のイペーですので、なんとかモノにしたいです。



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2016年11月6日日曜日

植物の寒害や凍害の原理

   下記はインターネットで検索して出てきた「日本植物学会」の「みんなのひろば」という欄の記事です。少し長いですが転載します。
   植物の体内の水(零度を下回れば凍る)は凍っても、細胞(イオン、有機酸、糖やアミノ酸を含有)が凍らなければ凍害は起きないようです。
 細胞内の液体の成分が問題のようです。「不凍液の成分」(前田の表現)が多ければ細胞は凍らないのでしょう。細胞がいったん凍ったら、植物のその部分とそこに頼っていた部分は死んでしまうのでしょう。
 凍害には細胞の凍結で組織が枯れ死すること以外に、幹が凍裂することがあります。岐阜県朝日村の別荘で、明け方零下19℃で白樺の主幹が折れる音を聞いたことがあります。勿論翌朝その姿を確認しました。

記事:
   「氷点下になった時など植物内の水は凍結しないのか?」
質問者:   教員   SATY
登録番号1123   登録日:2006-12-04
 朝が寒くなり、水たまりに氷の薄い膜が張るようになりました。ここで、疑問に思ったのですが、植物内の水は凍らないのでしょうか?もちろん、凍らないと思いますが、凍らない仕組みはどのようになっているのでしょうか?
 低温ということで、細胞内にある様々な酵素の活性も低下すると思います。北海道などでは-15℃〜
20℃になったりする中で、植物はどのような仕組みで生命活動を維持しているのか質問させていただきます。
 宜しくお願い致します。
SATYさん:

たいへんお待たせしました。植物の耐凍性に関するご質問の回答を、その分野を専門に研究をされている岩手大学の上村松生先生にお願いしたところ、次のような分かりやすい解説を頂きました。一見、ただただ、耐えているとしか見えない植物でも、なかなか巧妙な仕組みを持って、不利な環境と闘っていることが分かりますね。

[回答]
SATYさんの予想に反して、温帯以北に生息するほとんどの植物では体内に氷ができます。驚かれましたか? そのような植物は、体内の水分が凍っても生きられる仕組みを備えているのです。 今までの研究によると、「植物体内の氷ができる場所」が大きく影響すると考えられています。植物体内に氷ができても生存するための絶対条件は、「細胞の中に氷を作らない」ことです。細胞内に氷の結晶ができると、細胞内の様々な構造物(細胞膜、核、葉緑体、液胞など)が氷の鋭い結晶で傷つけられてしまい、細胞は例外なく死んでしまいます(細胞内凍結と言います)。しかし、植物細胞の中にはイオン、有機酸、糖やアミノ酸など様々な溶質が解けているため浸透濃度が高くなっており、氷点下になってもすぐには細胞内の水は凍結しません。
一方、細胞外(細胞壁部分や細胞と細胞の間)は水蒸気で満たされており、解けている溶質も少なく、さらには、氷の結晶を作るための核となる物質も多く存在します。従って、氷点下になると、多くの植物では最初に細胞外に氷ができます(細胞外凍結と言います)。いったん氷ができると、冷凍庫の製氷器で氷を作る時と同様に、氷のまわりの水や細胞内の凍結していない水は氷に引きつけられ、氷結晶は成長します。その結果、細胞内の溶質濃度はどんどん高まり、ますます凍結しにくい状態になります。さらに、細胞壁に接して存在する細胞膜が氷を通しにくい性質を持っているため、細胞外にできた氷は細胞内に侵入しない仕組みを持っていると考えられます。その状態が保たれると、ある程度の氷点下でも植物は生存できるのです。
氷点下の冬を野外で耐える植物の中には、氷が細胞外のあらゆるところにできるのではなく、特定の限られた場所にしかできないものも存在します。例えば、ツツジ科やバラ科では花芽の中には全く氷が形成されず、氷は芽鱗片(萼)内部や花芽の基部(皮層部)に形成され、そこへ花芽の中の水分がそっくり移動する現象が見られます。これは器官外凍結と呼ばれ、多くの種子を凍結した際にも観察されます。さらには、北方に生息する樹木(ブナ、カラマツ、リンゴなど)の幹にある木部柔細胞では、細胞のすぐそばに氷ができても細胞内の水は全く移動せず、しかもある温度まで細胞内が凍結しない現象が知られています。これを深過冷却と呼び、ササ等でも見られることがわかっています。このように、氷のできる場所は植物の種や器官・組織によって異なりますが、植物が氷点下でも生きるためには、体内に氷ができても細胞の中には氷を形成しない仕組みを持つことが必要不可欠なのです。
2番目の質問ですが、氷点下では多くの細胞内での代謝活動が低下します。例えば、呼吸や光合成などの活性は大きく低下することがわかっています。つまり、温度の低下と凍結による細胞内水分の減少により、最小限の代謝活動で生存が可能な状況になると考えられます。その詳細は今後の研究を待たなくてはなりませんが、ある意味で、動物に見られる「冬眠」と似ているのかもしれません。
逆に、低温になると多量に合成されるタンパク質が存在することも知られています。例えば、多くの植物では、凍結しない程度の低温に曝されると糖やアミノ酸などが増え、やがてやってくる氷点下の気温に備えることが知られています。この反応を司る酵素群のなかには、低温で増加するものも多く知られています。また、植物を低温に曝した時だけ発現する遺伝子も多く知られています。これらは低温誘導性遺伝子と呼ばれ、秋から冬にかけて植物が冬支度をする際に、凍結条件下でも生存できるようにするために必須のタンパク質を合成するものと考えられています。さらにおもしろいことに、植物体内に氷が形成され、細胞内の水分が乏しくなる厳しい条件でも働いている遺伝子があることも最近わかってきました。これらの低温や凍結条件下で特異的に働く遺伝子が持つ機能のほとんどは、まだ解明されていません。今後、これらの遺伝子の機能に関する研究が進むことによって、低温でもすくすく成長できる植物を育種する方法が見つかってくるかもしれません。

上村 松生(岩手大学農学部附属寒冷バイオシステム研究センター)

JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-12-21

2016年10月31日月曜日

常総市に前田宅のイペーの子孫を植えた場合の開花予測

 常総市でイペーの花を咲かせるプロジェクトを推進中である。
 常総市の気象観測所のデータが無いので、緯度がほぼ同じつくば市の最低気温の実績から、常総市に前田宅の庭のイペー(2000年に木市で苗を購入、多分Chrysotricha)の子孫を植えた場合の開花の可能性について考察した。
 下の表はつくば市の10年間の最低気温の記録である。前田宅の庭のイペーは2014年の零下5.3℃では蕾が健全で開花したが、2012年の零下7℃では全く開花しなかった(勿論当地域の他のイペー全部も開花せず)。昨冬の零下9.1℃では枝が50cm前後枯れ下がった。
 これらの実績をもとに、仮につくば市にその子孫を植えたと仮定した場合の開花の可能性について推測し、常総市でも同じだろうと考えた
 つくば市の最低気温の実績と前田宅の庭のイペーの耐寒性の観察結果から推測すると、つくば市や常総市では、前田宅の庭のイペーの系統はほとんど開花しないと思われる。
  常総市より少し北に位置する下妻市(しもつまし)のデータも詳細に調べたが、つくば市とほぼ同じだったので、緯度がほぼ同じつくば市のデータを採用した。
 イペーが日本で育ち、慣れによって耐寒性が向上することはあまり期待できない。耐寒性は樹液の成分でほぼ決定づけられる(勿論、微視的には樹体の大きさなども影響する)が、この成分は短期間に外的な条件で変化しないと考える。
   現在までに57種類のイペーを試験栽培して、タベブイア・アルバの「JS121117」のみが零下9.1℃を経験しても蕾まで健全であることを確認している。サンジョアキン市でもタベブイア・アルバが零下9℃に耐えて翌春満開であったという情報がある。この樹種であれば、最低気温が零下9℃を下回らないつくば市や常総市で毎年開花する可能性があると考える。この樹種を確認できていなければ、常総市でのイペープロジェクトにご協力ができなかっただろう。



















差出人: 前田 久紀
送信時: 2016年11月3日 20:08
宛先: watasitatino50nen@freeml.com
件名: RE: [watasitatino50nen:22712] Re: 前田宅イペーの耐寒性

 
北島さん
     前田です
有隅先生のコメントに矢継ぎ早ですみません。
北島さんが充分理解力のある方だと判りましたので、がっちりお話し致します。
先生と私は全く同じことを申し上げていますが具体的進め方のご提案です。
オペレーションその1:
「JS121117」の3.5mものや1mもの、数十センチものなど
数十本を来春提供させて頂く約束を致しております。
これらは、ブラジルから種子が送られたF1です。
先日のメールでお願い致しましたが、試験栽培として位置付けて
頂き、最優秀の木を選抜して頂きたいのです。
開花するようになったら、関係者の皆様に判りやすいように
「美人コンテスト」ならぬ「最優秀イペーコンテスト」をやって、
1種類を選抜して頂きたいのです。
オペレーションその2:
近日中に池田さんから再度「JS121117」の親木から採種された種子が
届きます。これを即刻お届け致しますので、関係者に配布して
開花させて、オペレーションその1と同じコンテストをやる。
オペレーションその3:
柳井市に「JS121117」の苗を48本提供し、前田農園の同級生に先行して
開花しています。来年開花した中から最優秀品の種子を確保して頂くように
依頼します。これはF2になり、上記の物より更に優良品である可能性があります。

常総市や日本に広めるイペーはこれらの中の最優秀品であるべきです。
常総市の関係者の皆様には、北島さんが上記のことを咀嚼されたうえで
平易にお伝え頂き、実行して頂ければ有難いです。





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2016年10月28日金曜日

捨てたイペーの幹の切断片から発芽

 2016年6月16~20日に根廻しをしたイペー、タベブイア・アルバ「JS121117」(樹高約2.5~3.5m)が、24本中12本の活着状態が悪く、枝から幹迄枯れてきたので逐次幹の生きている部分で切断した。来春出荷の可能性が出てきたために急に行なった根廻しの時期が遅すぎた。10月28日現在、切断した12本中11本が幹から発芽を開始しており、残りの1本も発芽しそうで、枯れ死はゼロで済むようだ(29日追記:発芽を確認)。
 10月28日の夕方、畑を巡回中に切断して捨てた幹の小片から発芽しているのを発見した。調べたら6月18日に根廻しをして8月3日に切断したものだった。
  通常、生きている部分を確認して1回の切断で終わるが、時に切断面の形成層や木質部の一部に枯れた部分が残る場合があり、その場合はもう一回少し下で切断し直す。その際小さな切断片が発生するが、当然これは捨てる。
 今日発見したのは、この捨てた部分が約3ヶ月かかって発芽したものである。大きさは、直径3.5cm、長さ4cmである。根元側の切断面には立派なカルスが形成されていた。ここから根が伸びることは間違いない。即刻、その場に植えてやった。夏場、繁っていた雑草がこの小片の生命維持を、多少なりとも助けたのではないかと考える。
 過日、直径1mmの新芽の挿し木(挿し芽)が活着したが、直径3.5cmも頑張っていた。 挿し穂の活力(タイミングが重要)や気温、湿度などの条件が偶然揃ったようだ。
 日本の草類や樹木に関して「春挿し」「梅雨挿し」「秋挿し」という言葉がある。今回は秋挿しならぬ「ほったら挿し」であり、イペーの生命力に大変驚いている。 幸福の木(ドラセナ)も顔負けである。
3ヶ月前に切断した小片(左)と発芽したその下部(右)

 立派なカルスが形成されている(ピンボケですみません)

植えた
ペットボトルで 保護、左端は同様の切断片があったので、拾って挿した



2016年10月26日水曜日

イペーの挿し木の自己最小記録

 今年の4月に神代植物公園殿にお届けしたイペー(樹種:Tabebuia alba)の送付時に整理した根を畑に挿し根した。挿し根の活着は順調で、9月中旬に発芽した無駄な芽を付け根からむしり取って7本くらい挿し木(挿し芽)した。写真右が一番先輩で、他にも活着したものが数本見える。挿したときの幹の直径は約1mmであったが、現在約1.5mmまで太った。  
   Tabebuia albaでは挿し根からの発芽でないと、このような小さな挿し芽は得られない。活着率は約80%。写真中央は、つま楊枝(直径2mm)。
 挿し根では直径3mm程度が活着の最小記録である。

2016年10月21日金曜日

日伯イペーサミット in 上総一宮

  2016年10月7~9日、上総一宮のアメリカントレーラーハウス(稲見正治朗氏経営)で開催されたイペーサミットの様子です。

2016年10月19日水曜日

カサドール産のイペーの成長速度

 ポルトアレグレ産のイペーの矮性と開花特性に注目していましたが、矮性に関してはカサドール産(T.albaと見ている)もほぼ同等かそれ以上と評価できそうです。8本を畑に移植したのですが、鶏糞の与え方が悪く、2本になりました。又、1本は19cmと小さく、これが樹種の遺伝的な性質であれば、大変な「見つけもの」です。
 種子を提供して頂いたブラジル在住の北沢さんの情報では、親木の樹齢は50年で樹高は6mとのことです。ポルトアレグレ産と同様に期待の星です。
データ:
 ポルトアレグレ10本の平均樹高=75cm  播種時期=2015年11月16日
 カサドールの大きい方の樹高=52cm    播種時期=2016年1月11日
         (両方とも播種床はポリスチロールのトレイで、冬場は電気毛布で保温育苗)
 カサドールの葉の段数は11段、Plastochron(葉間期)は25.7日でポルトアレグレの23.8日よりやや長い。節間寸法は4.7cmでポルトアレグレの5.4cmに比べてやや短い。すなわち、カサドールがポルトアレグレに比べてやや矮性ということになる。
  クリチーバの「JS121117」がどのような位置づけになるのか気になったので調べた。幼木では挿し根したものしかないが、その中の4月18日に挿した約10本を調べた。樹高平均74cm、節間寸法は6.7cmであった。上記の二者より長いが、サンジョアキンの8.3cmよりかなり短い。勿論、挿し根なので単純な比較はできない。
 カサドールはサンタカタリナ州の最近数十年間の気温の最低を記録した地区であることを調べ上げ、この地区に繋がりのある北沢さんを探し当ててご協力を頂き、当地のイペーの種子の入手に成功した。カサドールが気温の最低記録の地であることを確認した資料を下に示す:
  http://kirishiman.blogspot.jp/2015/09/blog-post_4.html

カサドール産イペー2本



カサドール産のイペーの成長速度

 ポルトアレグレ産のイペーの矮性と開花特性に注目していましたが、矮性に関してはカサドール産(T.albaと見ている)もほぼ同等かそれ以上と評価できそうです。8本を畑に移植したのですが、鶏糞の与え方が悪く、2本になりました。又、1本は19cmと小さく、これは樹種の遺伝的な性質ではなく、生育不良の影響のようです。
 種子を提供して頂いたブラジル在住の北沢さんの情報では、親木の樹齢は50年で樹高は6mとのことです。ポルトアレグレ産と同様に期待の星です。
データ:
 ポルトアレグレ10本の平均樹高=75cm  播種時期=2015年11月16日
 カサドールの大きい方の樹高=52cm    播種時期=2016年1月11日
         (両方とも播種床はポリスチロールのトレイで、冬場は電気毛布で保温育苗)
 カサドールの葉の段数は11段、Plastochron(葉間期)は25.7日でポルトアレグレの23.8日よりやや長い。節間寸法は4.7cmでポルトアレグレの5.4cmに比べてやや短い。すなわち、カサドールがポルトアレグレに比べてやや矮性ということになる。
  クリチーバの「JS121117」がどのような位置づけになるのか気になったので調べた。幼木では挿し根したものしかないが、その中の4月18日に挿した約10本を調べた。樹高平均74cm、節間寸法は6.7cmであった。上記の二者より長いが、サンジョアキンの8.3cmよりかなり短い。勿論、挿し根なので単純な比較はできない。
 カサドールはサンタカタリナ州の最近数十年間の気温の最低を記録した地区であることを調べ上げ、この地区に繋がりのある北沢さんを探し当ててご協力を頂き、当地のイペーの種子の入手に成功した。カサドールが気温の最低記録の地であることを確認した資料を下に示す:
  http://kirishiman.blogspot.jp/2015/09/blog-post_4.html

カサドール産イペー2本



2016年10月17日月曜日

ポルトアレグレとサンジョアキンのT.albaの比較

 ポルトアレグレは1種類、サンジョアキンは9種類のT.albaを試験栽培しています。ポルトアレグレとサンジョアキンの性質に大きな違いが出てきましたので、両者を比較します。サンジョアキンはSJ-4(19本)を代表選手にします。
比較表
①播種時期はポルトアレグレが2.5ヶ月早いにも拘わらず、平均的な樹高が約半分である。仮に同時期に播種すれば、もっと大きな差がつくことになる。現在、SJ-4は2cm/日の速度で伸びているので、全くの推測であるが1ヶ月分だけ補正すると、あと60cmは伸びることになり200~220cmになる。すなわち、ポルトアレグレはSJ-4の1/3の樹高ということになる。
②葉の段数の平均はポルトアレグレが14段、SJ-4が18段で、節間寸法は75/14=5.4cmと150/18=8.3cmとなり、ポルトアレグレの方がSJ-4の65%と大変短い。これも、①と同様の計算をすると、もっと大きな差がつくことになる。
③サンジョアキンの9種類の内部比較はまだ難しい。小型のものもあるようだが、全体的にポルトアレグレより格段に樹高が高い。
④Plastochron(葉間期)の平均値はポルトアレグレが23.8日、サンジョアキンが14.3日と大きな差がある。



2016年10月10日月曜日

ポルトアレグレのタベブイア・アルバ

 タベブイア・アルバの種子の莢です。長さは約50cmです。
  ポルトアレグレ市にタベブイア・アルバは3本しかありません。その様子は下記参照:
   http://kirishiman.blogspot.jp/2016/07/blog-post.html


  和田さんの記録:
≪タベブイア・アルバの種子の莢≫  採種時の写真です。
  ポルトアレグレ出発の10月3日〈月)の午前中の散歩時採種
 
イメージ 1

 
イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

2ヶ月前後に亘り開花する証拠写真
 どうしたら1本の木で、2ヶ月近くの開花がありうるのでしょうか? そのヒントは、近縁のTecomaにありました。Tecomaはその系統の如何によって、開花後の花穂の遺存軸から、新しい花が新生されることがあるのです。このような開花後の咲き柄から新しい花が生じる、そしてその新生の繰り返しがイペーでモノにできれば、2ヶ月という長期連続開花も夢ではないことになります。
 下の写真が、その証拠です。発育途上の蒴と開花中の花が同一花房の中に同居していますよね。(有隅先生のコメントより)
イメージ 6
メモ:
   前田農園のイペーの中に、樹高4mものが2012年2月3日の零下7℃で根元まで枯れ下がり、そのひこばえが成長して、2015年2月9日の零下5.3℃では花蕾が全く傷まず開花した、宮崎から導入した樹種(多分T.chrysotricha)があります。このレベルでは日本全国展開は無理なのです。
 昨年初めて1個だけ着蕾したものが、昨冬の零下9.1℃を無傷で乗り切った樹種(クリチーバ産のT.alba、播種4年目)があります。春先に蕾が膨らんだのですが、初産のためか葉の繁りが先行してアボートしました。初産でなければ開花しただろうと思っています。同種の樹高4mものが約20本、今年挿し根したものが約60本生長中です。同じトレーに播種した同級生が、温暖な柳井市で播種後3年目の昨春、数本が見事に開花しています。
 これと同種のT.alba(ポルトアレグレ産)1種類を昨年11月から、サンジョアキン産7種類を今年2月から試験栽培して更に耐寒性の強いものを確認しようとしています。この樹種はサンジョアキンでは蕾が零下9℃に耐えて翌春見事に開花した経験があります。
 ポルトアレグレ産10本が、葉が小さくて成長が遅く(サンジョアキンの半分)、特異な性質を示しており、注目しています。これらは、今回和田さんが持参された莢と同じ親木から採取された種子が育ったものです。大変楽しみです。


「花中花性」についての有隅先生のコメント(メールの転記):
[16-10-18]
前田さん 和田さん 池田さん 「花咲爺の会」の皆さん
                                  有隅です 
和田さんのPorto Alegreの、T.albaの写真を見て、私が10数年に亘り探求し続けた「そのもの」に巡り会えて、あっと驚き、かつまた感動しました。
1997年8月19日、地球上にこのような美しい花があったのかと、自分の無知さ加減に恥じ入るとともに、一方では大感動をした日でした。モノはIpe roxo(Tabebuia heptaphylla)、場所はア国の職場に通う、DeVoto駅のすぐ横でした。車窓から見たのです。
実はこのIRが、そんじょそこらに例のない、大変な傑物だったことも、私には幸運としか言いようがありませんでした。それはその花期が普通の花木では凡そあり得ない長期……咲き出しから終りまでが、1本の樹で2ヶ月近くにも及ぶという、「三日見ぬ間の桜」とは真反対の素質を持っていたからです。
勿論、咲き出しと咲き終わりでは花数は少なくなります。が、その中間では爛漫開花が延々と続き、そして2ヶ月近く後に花が終わってからどっと新芽が噴出し、次の発育が始まるのです。大多数のIRがチラホラと開花して、直ぐに 次の発育相に入るのとは、大変な違いでした。
この性質を持ったイペーを創り出したい……これが私の育種目標の1つになりました。そしてその「芽(手掛かり)」を今日まで探し続けていたのです。
さて、どうしたら1本の木で、2ヶ月近くの開花がありうるのでしょうか? そのヒントは、近縁のTecomaにありました。Tecomaはその系統の如何によって、開花後の花穂の遺存軸から、新しい花が新生されることがあるのです。このような開花後の咲き柄から新しい花が生じる、そしてその新生の繰り返しがイペーでモノにできれば、2ヶ月という長期連続開花も夢ではないことになります。
添付した写真が、その証拠です。発育途上の蒴と開花中の花が同一花房の中に同居していますよね。
(1)このような花の新生が (2)花穂軸の各所で、それも小さい単位で、繰り返し起こること (3)それも樹冠全体の全花房で同時並行的におこること (4)そうすればDeVotoのような、1本の樹で延々と爛漫開花が続くことになります
発生時を異にする枝に経時的に開花を続ける、四季咲きということがありますが、一時に開花する花数はどうしても少なくなります。これに対してDeVotoのような開花は、春1回だけの開花ですが、爆発的な爛漫開花を かなりの期間に亘って、楽しむことが出来ます。
イペーの開花特性からは、2つとも望ましい素質で、道は遠いですけれど追い続けたいと思ってきました。

和田さんにお願いですが、この現象はPorto Alegreのこの個体でたまたま見られた現象でしょうか。それとも常時起こっていることでしょうか。教えて戴けると有難いです。
池田さん、Curitibaのイペーでは如何でしょうか。このような「芽(手掛かり)」を持つ採種母本が見付かったら、それこそ感激モノです。「そう言えばあの木は、随分長いこと咲いていたなぁー」というのはなかったでしょうか。それも裸の樹のままで……

前田さん
    有隅です

「花中花性」については、添付ファイルに「私の覚え書」として纏めたものがありましたので、ご覧ください。

その写真(3頁)は和田さんのブログにあったものです。また6~7頁にかけて、この「花中花性」について、皆さんに説明をしていますが、DeVotoで見たイペーロッショの2ヶ月近くに及ぶ連続開花は、もっと細かな単位での小花の連続的形成でないと、ありえないと思っています(3頁の写真は、間の開き過ぎた大きな単位での新花房形成。だから「間が抜けた形」になっています)。

イペーの小花の花梗には、中途に節(生長点)があって、これが動いて新小花を作り(節の両腋芽が動くので2小花)、更にその次の腋芽が動いて2小花を作る、そしてまた次も――つまり2×2×2×2……という具合に小花が連続的に形成されて大きな花房になりますが、これが一時に(同時に)どっと咲いてどっと終るのではなく、次々に一方では咲き、他方では新花新生が起ると、DeVotoのような理想的な連続・爛漫開花がありうる、と思っています(DeVotoは、樹高20mという高い樹冠での現象でしたので、残念ながら手に取ってみることは出来ませんでした)。

「花房の中で遅れて咲くものがあるのでダラダラ咲き」だけでなく、花房中での新花の新生もある、ということです。但し、この現象を手の届く高さで確認したことはありません。何とかそのようなイペーを創り出したい、と言うのが私の夢です。


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