2016年10月10日月曜日

ポルトアレグレのタベブイア・アルバ

 タベブイア・アルバの種子の莢です。2016年10月7~8日に上総一宮で開催された自称「日伯イペーサミット」に参加された和田さんが持参されたものです。長さは約50cmです。
  ポルトアレグレ市にタベブイア・アルバは3本しかありません。その様子は下記参照:
   http://kirishiman.blogspot.jp/2016/07/blog-post.html


  種子の莢を提供された和田さんの記録です:
≪タベブイア・アルバの種子の莢≫  採種時の写真です。

  ポルトアレグレ出発の10月3日〈月)の午前中の散歩時に少し早いかと思ったのですが何とか種が取れるかなあと思いてお伸ばして引きちぎって日本に持って来ました。前田さんと小出さんに1本づつ持ち帰って頂いたのですが果たして完熟した種が取れるかどうか?もう1週間置いておけばよかったのですが。。。
莢採種時の写真を貼り付けて置きます。


イメージ 1



イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

2ヶ月前後に亘り開花する証拠写真
 どうしたら1本の木で、2ヶ月近くの開花がありうるのでしょうか? そのヒントは、近縁のTecomaにありました。Tecomaはその系統の如何によって、開花後の花穂の遺存軸から、新しい花が新生されることがあるのです。このような開花後の咲き柄から新しい花が生じる、そしてその新生の繰り返しがイペーでモノにできれば、2ヶ月という長期連続開花も夢ではないことになります。
 下の写真が、その証拠です。発育途上の蒴と開花中の花が同一花房の中に同居していますよね。(有隅先生のコメントより)
イメージ 6
メモ:
   前田農園のイペーの中に、樹高4mものが2012年2月3日の零下7℃で根元まで枯れ下がり、そのひこばえが成長して、2015年2月9日の零下5.3℃では花蕾が全く傷まず開花した、宮崎から導入した樹種(多分T.chrysotricha)があります。このレベルでは日本全国展開は無理なのです。
 昨年初めて1個だけ着蕾したものが、昨冬の零下9.1℃を無傷で乗り切った樹種(クリチーバ産のT.alba、播種4年目)があります。春先に蕾が膨らんだのですが、初産のためか葉の繁りが先行してアボートしました。初産でなければ開花しただろうと思っています。同種の樹高4mものが約20本、今年挿し根したものが約60本生長中です。同じトレーに播種した同級生が、温暖な柳井市で播種後3年目の昨春、数本が見事に開花しています。
 これと同種のT.alba(ポルトアレグレ産)1種類を昨年11月から、サンジョアキン産7種類を今年2月から試験栽培して更に耐寒性の強いものを確認しようとしています。この樹種はサンジョアキンでは蕾が零下9℃に耐えて翌春見事に開花した経験があります。
 ポルトアレグレ産10本が、葉が小さくて成長が遅く(サンジョアキンの半分)、特異な性質を示しており、注目しています。これらは、今回和田さんが持参された莢と同じ親木から採取された種子が育ったものです。大変楽しみです。


「花中花性」についての有隅先生のコメント(メールの転記):
[16-10-18]
前田さん 和田さん 池田さん 「花咲爺の会」の皆さん
                                  有隅です 
和田さんのPorto Alegreの、T.albaの写真を見て、私が10数年に亘り探求し続けた「そのもの」に巡り会えて、あっと驚き、かつまた感動しました。
1997年8月19日、地球上にこのような美しい花があったのかと、自分の無知さ加減に恥じ入るとともに、一方では大感動をした日でした。モノはIpe roxo(Tabebuia heptaphylla)、場所はア国の職場に通う、DeVoto駅のすぐ横でした。車窓から見たのです。
実はこのIRが、そんじょそこらに例のない、大変な傑物だったことも、私には幸運としか言いようがありませんでした。それはその花期が普通の花木では凡そあり得ない長期……咲き出しから終りまでが、1本の樹で2ヶ月近くにも及ぶという、「三日見ぬ間の桜」とは真反対の素質を持っていたからです。
勿論、咲き出しと咲き終わりでは花数は少なくなります。が、その中間では爛漫開花が延々と続き、そして2ヶ月近く後に花が終わってからどっと新芽が噴出し、次の発育が始まるのです。大多数のIRがチラホラと開花して、直ぐに 次の発育相に入るのとは、大変な違いでした。
この性質を持ったイペーを創り出したい……これが私の育種目標の1つになりました。そしてその「芽(手掛かり)」を今日まで探し続けていたのです。
さて、どうしたら1本の木で、2ヶ月近くの開花がありうるのでしょうか? そのヒントは、近縁のTecomaにありました。Tecomaはその系統の如何によって、開花後の花穂の遺存軸から、新しい花が新生されることがあるのです。このような開花後の咲き柄から新しい花が生じる、そしてその新生の繰り返しがイペーでモノにできれば、2ヶ月という長期連続開花も夢ではないことになります。
添付した写真が、その証拠です。発育途上の蒴と開花中の花が同一花房の中に同居していますよね。
(1)このような花の新生が (2)花穂軸の各所で、それも小さい単位で、繰り返し起こること (3)それも樹冠全体の全花房で同時並行的におこること (4)そうすればDeVotoのような、1本の樹で延々と爛漫開花が続くことになります
発生時を異にする枝に経時的に開花を続ける、四季咲きということがありますが、一時に開花する花数はどうしても少なくなります。これに対してDeVotoのような開花は、春1回だけの開花ですが、爆発的な爛漫開花を かなりの期間に亘って、楽しむことが出来ます。
イペーの開花特性からは、2つとも望ましい素質で、道は遠いですけれど追い続けたいと思ってきました。

和田さんにお願いですが、この現象はPorto Alegreのこの個体でたまたま見られた現象でしょうか。それとも常時起こっていることでしょうか。教えて戴けると有難いです。
池田さん、Curitibaのイペーでは如何でしょうか。このような「芽(手掛かり)」を持つ採種母本が見付かったら、それこそ感激モノです。「そう言えばあの木は、随分長いこと咲いていたなぁー」というのはなかったでしょうか。それも裸の樹のままで……

前田さん
    有隅です

「花中花性」については、添付ファイルに「私の覚え書」として纏めたものがありましたので、ご覧ください。

その写真(3頁)は和田さんのブログにあったものです。また6~7頁にかけて、この「花中花性」について、皆さんに説明をしていますが、DeVotoで見たイペーロッショの2ヶ月近くに及ぶ連続開花は、もっと細かな単位での小花の連続的形成でないと、ありえないと思っています(3頁の写真は、間の開き過ぎた大きな単位での新花房形成。だから「間が抜けた形」になっています)。

イペーの小花の花梗には、中途に節(生長点)があって、これが動いて新小花を作り(節の両腋芽が動くので2小花)、更にその次の腋芽が動いて2小花を作る、そしてまた次も――つまり2×2×2×2……という具合に小花が連続的に形成されて大きな花房になりますが、これが一時に(同時に)どっと咲いてどっと終るのではなく、次々に一方では咲き、他方では新花新生が起ると、DeVotoのような理想的な連続・爛漫開花がありうる、と思っています(DeVotoは、樹高20mという高い樹冠での現象でしたので、残念ながら手に取ってみることは出来ませんでした)。

「花房の中で遅れて咲くものがあるのでダラダラ咲き」だけでなく、花房中での新花の新生もある、ということです。但し、この現象を手の届く高さで確認したことはありません。何とかそのようなイペーを創り出したい、と言うのが私の夢です。


-

0 件のコメント: