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霧島市, 鹿児島県, Japan
造園施工管理技士、土木施工管理技士、公害防止管理者(大気、水質各1種、 騒音、振動)

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2018年2月15日木曜日

福島第一原子力発電所建屋爆発事故に関する反省

 2018年2月11日に、テレビ東京系列で「知られざるガリバー」という番組が放映されました。 下にその動画をご紹介いたします。
 これを機に、福島第一原子力発電所建屋爆発事故に関する、私の長年にわたる思いの丈を述べさせて頂きます。異論、反論、ご感想などをお聞かせいただければ幸甚です。 まずは、動画をご覧ください。  




   動画の内容はテレビ東京系列で2018年2月11日放映された「TRUSCO 知られざるガリバー」より引用。

   私は長年「デンヨー株式会社」様に大変お世話様になりました。現役時代は「工事現場で電気溶接ができれば大変有難い」という感覚でした。

 デンヨー株式会社様のお見事なご発展に敬意を表します。

  2011年3月11日14時46分の地震発生により、3月12日に福島第一原発1号機で、14日には3号機、15日には4号機で爆発が起き、建屋が崩壊した。建屋内部の水素ガスを置換する作業ができなかったためである。設備化されていたベント系統のバルブ操作以外、建屋内部の空気の強制的な置換作業は、方法の議論は行われたが実行されなかったのである。事故後の各種対策にもたついた主因は電源がなかったことである。移動式電源は関東一円、そこらじゅうにあったはずである。例えば松下エコシステムズ㈱製の「高速ジェットファン」などを使って建屋の出入り口などから外気を吹き込めば簡単に水素ガスは建屋外に吹き払えたはずである。出入り口の高速ジェットファンの周囲から室内の水素ガスは室外へ押し出すことができたはずだ。50m前方の空気を吹き払う、ましてや置換することは容易なことである。 移動式発電機や高速ジェットファンなど危機を回避する装置はそろっていたが、危機管理に関する東電㈱の体制と関係者の知識が欠落していたために爆発事故は起きたと考える。回避できた大事故であった。

  地震発生の直後に、福島第二原発の建設に携わった東芝の友人に上記の対処方法を関係者に提案するように連絡したが、それが通ずるような環境ではなかったと思う。
  事故直後の一次対応が落ち着いた後、国会事故調査委員会が設置されたので、この調査委員会に対して、この程度の回避策がなぜ実行できなかったか調査検討してほしいとの申し入れを行ったが、対応して頂いた可能性はあるものの具体的な反応はなかった。

国会事故調の調査報告記者会見:http://kirishiman.blogspot.jp/2012/07/blog-post.html
国会事故調査委員会調査報告書:http://www.mhmjapan.com/content/files/00001736/naiic_honpen2_0.pdf#search=%27%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E4%BA%8B%E6%95%85%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E5%A0%B1%E5%91%8A%27

 東電㈱の危機管理体制が、設備建設の前提条件をはじめとして災害時の対応基準などまで根底から間違っていた。事故後「想定外」などという経営者が決して発してはならない言葉が平気で使われていた。事故は起こるべくして起きたのだ。 デンヨー㈱の白鳥社長は、実現が想定できない新技術に挑戦して実現を目指しておられる。経営者の両極端の資質を拝見させて頂いた。
 
 国会事故調査委員会調査報告書より引用:
 下記の記録により、東電㈱は建屋の水素爆発を回避するための方策を思い当たらなかったことは明白である。結果的に、ただ手をこまねいて爆発を看過したのである。「ヘリで重量物を屋根に投下して解放すればよい」などと、全く素人の発言があったことが記録されている。建屋内に水素ガスが充満しているのだから、火花が散れば容易に着火して大爆発する。この一言が全てを代弁している。
 ヘリで運ばれた1台の移動式発電機と1台のファンがあれば各建屋の水素爆発事故は回避されたと思う。極めて重大な事案であるから、東電㈱による確認実験を実施して最善の対処策を策定して頂きたい。残された建屋を使えば極めて簡単に室内空気の吹き払い実験などはできる。すでに実験は実施されているかもしれないが、その場合はデータを公開して頂きたい。












  東京電力に対して質問した回答を頂きました。そのまま転載いたします。質問に対する回答になっておりません。この程度の回答が来るようでは重大事故再発が充分あり得ます。




【東京電力エナジーパートナー(株)】お問い合わせへの回答 (件名なし)
       2018/03/08 (木) 11:43

前田久紀さま

   福島第一原子力発電所の事故により、今なお、発電所周辺地域をはじめとした福
島県のみなさま、広く社会のみなさまに大変なご迷惑とご心配をおかけしており
ますことを、深くお詫び申し上げます。

この度は、事故直後の水素ガスの排除方法につきましてお問い合わせをいただき、
ありがとうございます。以下の通り回答申し上げます。

   質問:事故のあと、私がご提案致しましたような、強力な送風機などによる建屋内の水
素ガスの排除方法に関しましてご検討されたのですか、されなかったのですか。
どちらかをお答えください。


→建屋の水素爆発抑制方策検討に際し、ご提案いただきました送風機等による水
 素ガスの強制排出につきましては、行っておりません。
 その理由として、今にも建屋が水素爆発する恐れのある状況下において、対策
 要員が建屋に近づき、扉の開放、送風機の運搬・起動等の措置を行うことは、
 安全確保の観点から難しいものと考えております。

ご理解いただければ幸いです。

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 東京電力エナジーパートナー株式会社
 お客さま相談室
 電話:050-3066-3033
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2 件のコメント:

inouetarou さんのコメント...

21期の井上太郎です。農大メールから、本ブログを拝見させていただきました。私見ですが、東京電力・原子力発電所事故の一番の原因は津波ではなく全電源喪失だと思っています。わずか10kmしか離れない福島第2は無事であったかを検証するマスコミ報道は少ないです。福島第1は全電源を東北電力から供給していたけれど、第2は一部東京電力から送電を受けていた。そして、電源車の確保ができていた。津波の高さは同程度の10mであったといわれています。福島第一と第二の電源車の駐車についての記録を報道されることは少ないようです。別の角度から見ると、第一の非常電源発電建屋を非破壊検査が行ったところ、ヒビがあったので修理したほうが良いという報告書が東京電力に提出されていたという。第二で言えば、第一が爆発後、首都圏の電力供給不足に陥り東京電力は第二に対して、電力供給を停止してよいかと第二の所長に打診する。第二の所長は第一と同じ環境になってしまうからだめだと返答。その後、第二も津波の影響を受けた取水ポンプにダメージがあり、これを所持しているのが三重県の会社だと情報を受け、陸送していては原子炉に影響があるかもしれないと考え、数tのポンプを自衛隊のヘリで移送した。話は全電源喪失の第一に戻します。東京電力は電源車を東京から第一に送りました。しかし、高速道路は警察と消防と自衛隊しか走れない法律になっていました。東京電力の電源車は緊急車両になっていなかった。爆発まえに、電源車を自衛隊のヘリで第一空輸していれば日本の原発神話は続いたのかもしれません。私は、想定外のことが発生した場合、想定外の行動ができるように知恵を増やしていかなければならないと思っています。

前田久紀 さんのコメント...

井上太郎様
    前田です。
貴重なコメントを大変ありがとうございました。
情報を参考にさせていただきます。