自己紹介

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霧島市, 鹿児島県, Japan
造園施工管理技士、土木施工管理技士、公害防止管理者(大気、水質各1種、 騒音、振動)

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2016年10月31日月曜日

常総市に前田宅のイペーの子孫を植えた場合の開花予測

 常総市でイペーの花を咲かせるプロジェクトを推進中である。
 常総市の気象観測所のデータが無いので、緯度がほぼ同じつくば市の最低気温の実績から、常総市に前田宅の庭のイペー(2000年に木市で苗を購入、多分Chrysotricha)の子孫を植えた場合の開花の可能性について考察した。
 下の表はつくば市の10年間の最低気温の記録である。前田宅の庭のイペーは2014年の零下5.3℃では蕾が健全で開花したが、2012年の零下7℃では全く開花しなかった(勿論当地域の他のイペー全部も開花せず)。昨冬の零下9.1℃では枝が50cm前後枯れ下がった。
 これらの実績をもとに、仮につくば市にその子孫を植えたと仮定した場合の開花の可能性について推測し、常総市でも同じだろうと考えた
 つくば市の最低気温の実績と前田宅の庭のイペーの耐寒性の観察結果から推測すると、つくば市や常総市では、前田宅の庭のイペーの系統はほとんど開花しないと思われる。
  常総市より少し北に位置する下妻市(しもつまし)のデータも詳細に調べたが、つくば市とほぼ同じだったので、緯度がほぼ同じつくば市のデータを採用した。
 イペーが日本で育ち、慣れによって耐寒性が向上することはあまり期待できない。耐寒性は樹液の成分でほぼ決定づけられる(勿論、微視的には樹体の大きさなども影響する)が、この成分は短期間に外的な条件で変化しないと考える。
   現在までに57種類のイペーを試験栽培して、タベブイア・アルバの「JS121117」のみが零下9.1℃を経験しても蕾まで健全であることを確認している。サンジョアキン市でもタベブイア・アルバが零下9℃に耐えて翌春満開であったという情報がある。この樹種であれば、最低気温が零下9℃を下回らないつくば市や常総市で毎年開花する可能性があると考える。この樹種を確認できていなければ、常総市でのイペープロジェクトにご協力ができなかっただろう。



















差出人: 前田 久紀
送信時: 2016年11月3日 20:08
宛先: watasitatino50nen@freeml.com
件名: RE: [watasitatino50nen:22712] Re: 前田宅イペーの耐寒性

 
北島さん
     前田です
有隅先生のコメントに矢継ぎ早ですみません。
北島さんが充分理解力のある方だと判りましたので、がっちりお話し致します。
先生と私は全く同じことを申し上げていますが具体的進め方のご提案です。
オペレーションその1:
「JS121117」の3.5mものや1mもの、数十センチものなど
数十本を来春提供させて頂く約束を致しております。
これらは、ブラジルから種子が送られたF1です。
先日のメールでお願い致しましたが、試験栽培として位置付けて
頂き、最優秀の木を選抜して頂きたいのです。
開花するようになったら、関係者の皆様に判りやすいように
「美人コンテスト」ならぬ「最優秀イペーコンテスト」をやって、
1種類を選抜して頂きたいのです。
オペレーションその2:
近日中に池田さんから再度「JS121117」の親木から採種された種子が
届きます。これを即刻お届け致しますので、関係者に配布して
開花させて、オペレーションその1と同じコンテストをやる。
オペレーションその3:
柳井市に「JS121117」の苗を48本提供し、前田農園の同級生に先行して
開花しています。来年開花した中から最優秀品の種子を確保して頂くように
依頼します。これはF2になり、上記の物より更に優良品である可能性があります。

常総市や日本に広めるイペーはこれらの中の最優秀品であるべきです。
常総市の関係者の皆様には、北島さんが上記のことを咀嚼されたうえで
平易にお伝え頂き、実行して頂ければ有難いです。





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2016年10月28日金曜日

捨てたイペーの幹の切断片から発芽

 2016年6月16~20日に根廻しをしたイペー、タベブイア・アルバ「JS121117」(樹高約2.5~3.5m)が、24本中12本の活着状態が悪く、枝から幹迄枯れてきたので逐次幹の生きている部分で切断した。来春出荷の可能性が出てきたために急に行なった根廻しの時期が遅すぎた。10月28日現在、切断した12本中11本が幹から発芽を開始しており、残りの1本も発芽しそうで、枯れ死はゼロで済むようだ(29日追記:発芽を確認)。
 10月28日の夕方、畑を巡回中に切断して捨てた幹の小片から発芽しているのを発見した。調べたら6月18日に根廻しをして8月3日に切断したものだった。
  通常、生きている部分を確認して1回の切断で終わるが、時に切断面の形成層や木質部の一部に枯れた部分が残る場合があり、その場合はもう一回少し下で切断し直す。その際小さな切断片が発生するが、当然これは捨てる。
 今日発見したのは、この捨てた部分が約3ヶ月かかって発芽したものである。大きさは、直径3.5cm、長さ4cmである。根元側の切断面には立派なカルスが形成されていた。ここから根が伸びることは間違いない。即刻、その場に植えてやった。夏場、繁っていた雑草がこの小片の生命維持を、多少なりとも助けたのではないかと考える。
 過日、直径1mmの新芽の挿し木(挿し芽)が活着したが、直径3.5cmも頑張っていた。 挿し穂の活力(タイミングが重要)や気温、湿度などの条件が偶然揃ったようだ。
 日本の草類や樹木に関して「春挿し」「梅雨挿し」「秋挿し」という言葉がある。今回は秋挿しならぬ「ほったら挿し」であり、イペーの生命力に大変驚いている。 幸福の木(ドラセナ)も顔負けである。
3ヶ月前に切断した小片(左)と発芽したその下部(右)

 立派なカルスが形成されている(ピンボケですみません)

植えた
ペットボトルで 保護、左端は同様の切断片があったので、拾って挿した



2016年10月26日水曜日

イペーの挿し木の自己最小記録

 今年の4月に神代植物公園殿にお届けしたイペー(樹種:Tabebuia alba)の送付時に整理した根を畑に挿し根した。挿し根の活着は順調で、9月中旬に発芽した無駄な芽を付け根からむしり取って7本くらい挿し木(挿し芽)した。写真右が一番先輩で、他にも活着したものが数本見える。挿したときの幹の直径は約1mmであったが、現在約1.5mmまで太った。  
   Tabebuia albaでは挿し根からの発芽でないと、このような小さな挿し芽は得られない。活着率は約80%。写真中央は、つま楊枝(直径2mm)。
 挿し根では直径3mm程度が活着の最小記録である。

2016年10月21日金曜日

日伯イペーサミット in 上総一宮

  2016年10月7~9日、上総一宮のアメリカントレーラーハウス(稲見正治朗氏経営)で開催されたイペーサミットの様子です。

2016年10月19日水曜日

カサドール産のイペーの成長速度

 ポルトアレグレ産のイペーの矮性と開花特性に注目していましたが、矮性に関してはカサドール産(T.albaと見ている)もほぼ同等かそれ以上と評価できそうです。8本を畑に移植したのですが、鶏糞の与え方が悪く、2本になりました。又、1本は19cmと小さく、これは樹種の遺伝的な性質ではなく、生育不良の影響のようです。
 種子を提供して頂いたブラジル在住の北沢さんの情報では、親木の樹齢は50年で樹高は6mとのことです。ポルトアレグレ産と同様に期待の星です。
データ:
 ポルトアレグレ10本の平均樹高=75cm  播種時期=2015年11月16日
 カサドールの大きい方の樹高=52cm    播種時期=2016年1月11日
         (両方とも播種床はポリスチロールのトレイで、冬場は電気毛布で保温育苗)
 カサドールの葉の段数は11段、Plastochron(葉間期)は25.7日でポルトアレグレの23.8日よりやや長い。節間寸法は4.7cmでポルトアレグレの5.4cmに比べてやや短い。すなわち、カサドールがポルトアレグレに比べてやや矮性ということになる。
  クリチーバの「JS121117」がどのような位置づけになるのか気になったので調べた。幼木では挿し根したものしかないが、その中の4月18日に挿した約10本を調べた。樹高平均74cm、節間寸法は6.7cmであった。上記の二者より長いが、サンジョアキンの8.3cmよりかなり短い。勿論、挿し根なので単純な比較はできない。
 カサドールはサンタカタリナ州の最近数十年間の気温の最低を記録した地区であることを調べ上げ、この地区に繋がりのある北沢さんを探し当ててご協力を頂き、当地のイペーの種子の入手に成功した。カサドールが気温の最低記録の地であることを確認した資料を下に示す:
  http://kirishiman.blogspot.jp/2015/09/blog-post_4.html

カサドール産イペー2本



2016年10月17日月曜日

ポルトアレグレとサンジョアキンのT.albaの比較

 ポルトアレグレは1種類、サンジョアキンは9種類のT.albaを試験栽培しています。ポルトアレグレとサンジョアキンの性質に大きな違いが出てきましたので、両者を比較します。サンジョアキンはSJ-4(19本)を代表選手にします。
比較表
①播種時期はポルトアレグレが2.5ヶ月早いにも拘わらず、平均的な樹高が約半分である。仮に同時期に播種すれば、もっと大きな差がつくことになる。現在、SJ-4は2cm/日の速度で伸びているので、全くの推測であるが1ヶ月分だけ補正すると、あと60cmは伸びることになり200~220cmになる。すなわち、ポルトアレグレはSJ-4の1/3の樹高ということになる。
②葉の段数の平均はポルトアレグレが14段、SJ-4が18段で、節間寸法は75/14=5.4cmと150/18=8.3cmとなり、ポルトアレグレの方がSJ-4の65%と大変短い。これも、①と同様の計算をすると、もっと大きな差がつくことになる。
③サンジョアキンの9種類の内部比較はまだ難しい。小型のものもあるようだが、全体的にポルトアレグレより格段に樹高が高い。
④Plastochron(葉間期)の平均値はポルトアレグレが23.8日、サンジョアキンが14.3日と大きな差がある。



2016年10月10日月曜日

ポルトアレグレのタベブイア・アルバ

 タベブイア・アルバの種子の莢です。長さは約50cmです。
  ポルトアレグレ市にタベブイア・アルバは3本しかありません。その様子は下記参照:
   http://kirishiman.blogspot.jp/2016/07/blog-post.html


  和田さんの記録:
≪タベブイア・アルバの種子の莢≫  採種時の写真です。
  ポルトアレグレ出発の10月3日〈月)の午前中の散歩時採種
 
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2ヶ月前後に亘り開花する証拠写真
 どうしたら1本の木で、2ヶ月近くの開花がありうるのでしょうか? そのヒントは、近縁のTecomaにありました。Tecomaはその系統の如何によって、開花後の花穂の遺存軸から、新しい花が新生されることがあるのです。このような開花後の咲き柄から新しい花が生じる、そしてその新生の繰り返しがイペーでモノにできれば、2ヶ月という長期連続開花も夢ではないことになります。
 下の写真が、その証拠です。発育途上の蒴と開花中の花が同一花房の中に同居していますよね。(有隅先生のコメントより)
イメージ 6
メモ:
   前田農園のイペーの中に、樹高4mものが2012年2月3日の零下7℃で根元まで枯れ下がり、そのひこばえが成長して、2015年2月9日の零下5.3℃では花蕾が全く傷まず開花した、宮崎から導入した樹種(多分T.chrysotricha)があります。このレベルでは日本全国展開は無理なのです。
 昨年初めて1個だけ着蕾したものが、昨冬の零下9.1℃を無傷で乗り切った樹種(クリチーバ産のT.alba、播種4年目)があります。春先に蕾が膨らんだのですが、初産のためか葉の繁りが先行してアボートしました。初産でなければ開花しただろうと思っています。同種の樹高4mものが約20本、今年挿し根したものが約60本生長中です。同じトレーに播種した同級生が、温暖な柳井市で播種後3年目の昨春、数本が見事に開花しています。
 これと同種のT.alba(ポルトアレグレ産)1種類を昨年11月から、サンジョアキン産7種類を今年2月から試験栽培して更に耐寒性の強いものを確認しようとしています。この樹種はサンジョアキンでは蕾が零下9℃に耐えて翌春見事に開花した経験があります。
 ポルトアレグレ産10本が、葉が小さくて成長が遅く(サンジョアキンの半分)、特異な性質を示しており、注目しています。これらは、今回和田さんが持参された莢と同じ親木から採取された種子が育ったものです。大変楽しみです。


「花中花性」についての有隅先生のコメント(メールの転記):
[16-10-18]
前田さん 和田さん 池田さん 「花咲爺の会」の皆さん
                                  有隅です 
和田さんのPorto Alegreの、T.albaの写真を見て、私が10数年に亘り探求し続けた「そのもの」に巡り会えて、あっと驚き、かつまた感動しました。
1997年8月19日、地球上にこのような美しい花があったのかと、自分の無知さ加減に恥じ入るとともに、一方では大感動をした日でした。モノはIpe roxo(Tabebuia heptaphylla)、場所はア国の職場に通う、DeVoto駅のすぐ横でした。車窓から見たのです。
実はこのIRが、そんじょそこらに例のない、大変な傑物だったことも、私には幸運としか言いようがありませんでした。それはその花期が普通の花木では凡そあり得ない長期……咲き出しから終りまでが、1本の樹で2ヶ月近くにも及ぶという、「三日見ぬ間の桜」とは真反対の素質を持っていたからです。
勿論、咲き出しと咲き終わりでは花数は少なくなります。が、その中間では爛漫開花が延々と続き、そして2ヶ月近く後に花が終わってからどっと新芽が噴出し、次の発育が始まるのです。大多数のIRがチラホラと開花して、直ぐに 次の発育相に入るのとは、大変な違いでした。
この性質を持ったイペーを創り出したい……これが私の育種目標の1つになりました。そしてその「芽(手掛かり)」を今日まで探し続けていたのです。
さて、どうしたら1本の木で、2ヶ月近くの開花がありうるのでしょうか? そのヒントは、近縁のTecomaにありました。Tecomaはその系統の如何によって、開花後の花穂の遺存軸から、新しい花が新生されることがあるのです。このような開花後の咲き柄から新しい花が生じる、そしてその新生の繰り返しがイペーでモノにできれば、2ヶ月という長期連続開花も夢ではないことになります。
添付した写真が、その証拠です。発育途上の蒴と開花中の花が同一花房の中に同居していますよね。
(1)このような花の新生が (2)花穂軸の各所で、それも小さい単位で、繰り返し起こること (3)それも樹冠全体の全花房で同時並行的におこること (4)そうすればDeVotoのような、1本の樹で延々と爛漫開花が続くことになります
発生時を異にする枝に経時的に開花を続ける、四季咲きということがありますが、一時に開花する花数はどうしても少なくなります。これに対してDeVotoのような開花は、春1回だけの開花ですが、爆発的な爛漫開花を かなりの期間に亘って、楽しむことが出来ます。
イペーの開花特性からは、2つとも望ましい素質で、道は遠いですけれど追い続けたいと思ってきました。

和田さんにお願いですが、この現象はPorto Alegreのこの個体でたまたま見られた現象でしょうか。それとも常時起こっていることでしょうか。教えて戴けると有難いです。
池田さん、Curitibaのイペーでは如何でしょうか。このような「芽(手掛かり)」を持つ採種母本が見付かったら、それこそ感激モノです。「そう言えばあの木は、随分長いこと咲いていたなぁー」というのはなかったでしょうか。それも裸の樹のままで……

前田さん
    有隅です

「花中花性」については、添付ファイルに「私の覚え書」として纏めたものがありましたので、ご覧ください。

その写真(3頁)は和田さんのブログにあったものです。また6~7頁にかけて、この「花中花性」について、皆さんに説明をしていますが、DeVotoで見たイペーロッショの2ヶ月近くに及ぶ連続開花は、もっと細かな単位での小花の連続的形成でないと、ありえないと思っています(3頁の写真は、間の開き過ぎた大きな単位での新花房形成。だから「間が抜けた形」になっています)。

イペーの小花の花梗には、中途に節(生長点)があって、これが動いて新小花を作り(節の両腋芽が動くので2小花)、更にその次の腋芽が動いて2小花を作る、そしてまた次も――つまり2×2×2×2……という具合に小花が連続的に形成されて大きな花房になりますが、これが一時に(同時に)どっと咲いてどっと終るのではなく、次々に一方では咲き、他方では新花新生が起ると、DeVotoのような理想的な連続・爛漫開花がありうる、と思っています(DeVotoは、樹高20mという高い樹冠での現象でしたので、残念ながら手に取ってみることは出来ませんでした)。

「花房の中で遅れて咲くものがあるのでダラダラ咲き」だけでなく、花房中での新花の新生もある、ということです。但し、この現象を手の届く高さで確認したことはありません。何とかそのようなイペーを創り出したい、と言うのが私の夢です。


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2016年10月6日木曜日

「タベブイア・アルバ:池田邸前」の日本での生育の様子

 昨冬、イペーで唯一零下9.1℃を無傷で乗りきった標記樹種で、ロットNo.「JS121117」の生育状況を記録しました。写真は全て10月6日の撮影です。
 明日から明後日にかけて、南房総で約20名が参加して開催される
「日伯イペーサミット」(自称)に持参するために撮影したものです。茨城県常総市の「イペープロジェクト」や群馬県大泉町にご提供するイペーを選定するための資料になればと考えています。


6月に根廻しをした3.5~4mもの、約10本(支柱があるもの)。
全部で約20本根廻しをしたが、時期が遅すぎて活着が悪く、
8本を根元で切断して再生中。
 
4月に神代植物公園殿に苗を送った際に採取した不要根を
挿し根したもの。1m近く伸びている。約10本。

5月から6月にかけて挿し根したもの。樹高10~30cm、約40本。
 
第3圃場全景:
左端の畝が4月に挿し根した約10本
 
右の畝はサンジョアキンからのタベブイア・アルバ7種類。
今年2月2日に播種して5月7日に苗床から移植した。
最大1.7mまで伸びた。

クリチーバの池田邸前の親木:樹齢27~30年。