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霧島市, 鹿児島県, Japan
造園施工管理技士、土木施工管理技士、公害防止管理者(大気、水質各1種、 騒音、振動)

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2019年4月25日木曜日

宮崎県門川町「心の杜」のイペー探訪:2019年4月23日

 一ヶ所に2,000本のイペーが植えられているということで、驚きと大きな期待をもって、片道4時間をかけて見に行きました。結果は、大変残念な思いをしました。状況と感想を述べます。
 現場の案内板に「近藤信男」様のお名前があり、10年前にイペー植栽に関してご指導を頂いたことを懐かしく思い出しました。

 イペーの様子
 2006年に門川町の「花と緑のまちずくり事業」の一環として、1,500本が植えられ、その後追加されて2,000本になった時期があったと思われます。現在はかなりの本数が枯れ死して減少していますが、枯れ死は進行しています。
 気候は極めて温暖ですが、2012年には冬季の寒害で花が全く咲かず、2017年はびっちりと開花したが、2018年は明らかに開花状況が違うとの記録があります。

 過去10年間の延岡観測所の最低気温を、イペー植栽関係各地の観測所のデータと比較して示します。極めて温暖です。

 
  直近9年間のイペー植栽関係各地の日平均気温を示します。常総市と仙台市が最低気温の場合と異なり逆転しています。

 
イペーの故郷各地の最低気温
   ブラジルのカサドール市やサンジョアキン市にも多種多数のイペーが生育しており、前田はこの2ヶ所を含む約100種類の樹種を地植えで試験栽培完了又はその途中です。拙宅では低温を経験しにくいので、北海道、宮城県、群馬県、茨城県にも試験栽培を依頼しています。
 
        「心の杜」のイペーの植栽場所

  イペー全体に樹勢がなく、枯れ死が進行しているように見受けられます。同行した友人曰く「イペー愛好家として、このような状態を見るのは忍びない・・・」。



気づいたこと:
①北東向きの斜面に植えられており、夏場でも陽が当たりにくい。
②盆地状の窪地に植えられており、中央部分に排水が集中する。イペーは過湿を大変嫌い、根腐れを起こして枯れていく。
③耐寒性がかなり弱い樹種が植えられており、開花しないか開花状態がよくない年がある。零下5℃程度で開花しないようでは、温暖な宮崎県でも植栽場所が極めて限定される。
④密植しすぎ。夏場でも午後は地面に陽が当たらないと思われる。
⑤樹高約10mのイペーに蔓が絡まっているものが数本あったり、台風で倒れたと思われる樹高7~8mの木が1本放置されていた。手入れが悪い。責任をもって「この森を守るのだ」という方がおられないのだ。「心の杜」が泣いている。宣伝だけが先行している。



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2019年4月22日月曜日

イペー タベブイアアルバが開花

   霧島市の標高約300mの友人宅でイペー タベブイアアルバが開花しました。2019年4月22日の様子です。初めての開花にしては立派です。
 

2019年4月20日土曜日

姶良市でイペー「池前アルバ」が開花

  2019年4月19日の様子です。この樹種は播種後2年で開花します。
  日本南部の暖地でもイペーが見られるようになりました。昨冬は暖冬で、植えられたほとんどのイペーが開花しそうです。現在国内で一般に見られるイペーは冬季に零下5℃を下回ると蕾が落ちたり、枝先が枯れたりして開花しません。この動画の「池前アルバ」(商標登録済、イペー タベブイアアルバ)は10年間をかけて約100種類、1,000本以上を地植えで試験栽培して、耐寒性抜群で零下9℃に見舞われても開花する特別な樹種を選抜したものです。今春、仙台市や常総市でも開花する見込みです。桜前線のあとを追って開花ゾーンが北上します。柳井市でも開花しており、5月3日にはこの樹種で日本初のオープンガーデンが開かれます。


2019年4月25日追記



  2019年5月2日追記:
  姶良市で上記とは別の邸宅でも同じ池前アルバが開花しました、見事です。
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2019年4月19日金曜日

イペーの木を受け取りに:茨城 - 鹿児島3泊4日のドライブ

常総市 相澤さんの紀行文です:

人生最長のドライブが終わった。3泊4日で鹿児島まで片道1400キロを往復する旅、そろって還暦越えの男3人が交代でハンドルを握った。強行軍に僕は、周囲に行き先を伏せて出発するほどだった。ひとまず無事に帰ったものの、人生初の、そして最後になるに違いない、列島横断の長距離ドライブとなった。

常総市生まれのジュージ社長が、鹿児島の霧島市まで「イペーの苗木を取りにいこう」と誘ってきた。イペーは南米原産でブラジルの国花になっている。ノウゼンカズラの仲間だそうだが、春に黄色い花をつけた後、葉を芽吹かせることから、日本の桜のように扱われる。ジュージ社長は、近年ブラジル人の移入が顕著な常総市で、交流のシンボルツリーにふさわしいとイペーの花咲くまちづくりを提唱した。

彼が偉いのは、言い出しっぺの率先垂範。ここ2、3年、市庁舎や公共施設の敷地に植樹してきたが、耐寒性に優れた「池前アルバ」という品種が作出されたと聞きつけ関心を持った。霧島市で「イペー研究会」を立ち上げ、品種改良に取り組む造園施工管理士の前田久紀さん(78)が育てていた。問い合わせると、ふたつ返事で無償で苗木を提供してもらえることになった。

前田さん宅のイペーの木
黄色い花を咲かす前田さん宅のイペーの木

前田さんはこれまでも、同県鹿屋市や山口県柳井市にイペーの木を提供してきたが、常総市は最北になる。耐寒試験でマイナス9.1℃の極寒もクリアした品種にふさわしい環境に思えたが、輸送法が問題だった。苗木の宅配便は取り扱う業者が少なく、送る場合でも1本1本梱包しての輸送となるためコストが膨らむ。なので、ジュージ社長が出した結論は「車で取りにいく」。イペーの黄色い花が咲く時期を選んで、受け取りの日程を組んだのだった。

同行のドライバーに選ばれたのは、僕と常総市民のシゲルさん。農作業の経験豊富なシゲルさんはともかく、僕は草取りもすぐに投げ出す軟弱者の上、運転嫌いの表六玉。最初に提示された2泊3日のスケジュールに異を唱え、「とにかく夜はベッドに寝かせてくれ」を条件に引き受けたのだった。

初日は朝6時に常総市を出発して、首都高経由で東名から新東名、新名神、山陽道と進んで関門橋を渡って九州入りし、門司で1泊。翌2日目は朝7時に宿を出て、九州道を南下し11時30分ごろ霧島着。驚くことに、ここまでジュージ社長氏が立てた事前の旅程にほとんど狂いがなかった。最近のナビの精度と性能アップには驚かされる。

現地では圃場に植わる約80本の苗木を掘り起こし、長さをそろえて梱包しSUV車に積み込んだ。挿し木で育てた苗木だそうで、4年生の長いものは約2メートル、車内のフロントガラスからリヤウインドーいっぱいの場所を取る。前田さんはどこまでも気前よく、イペー以外にも栽培している珍品の植物を次々に持たせてくれるから、車内は植物でぎっしり。運転席と助手席の間に苗木の先端が割り込み、後部座席は1人が座れるスペースを確保するのがやっとだった。

作業はほぼ2時間で終了。せっかく鹿児島まで来たのだから「桜島を見ていこう」と錦江湾の国分海浜公園まで行ったが、噴煙あげる桜島を背景に証拠写真を数枚撮っただけで、即行帰路に就くあわただしさ。午後2時30分発、東九州道から北上して九州を縦断、前夜通った関門橋を渡って宿のある広島に着いたのは夜11時過ぎだった。

桜島を臨んで証拠写真の撮影
桜島を臨む浜辺で証拠写真の撮影

3日目は朝7時30分、宿を出て広島平和公園を訪ねてから往路を逆走、富士山麓の足柄サービスエリアに着いたのは午後8時ごろ。曜日と時間帯から、この先東京方面の渋滞が懸念されたため、入浴・宿泊施設のある同SAに1泊する日程を組んだのだった。しかし温泉浴の効果を実感するいとまもない。翌朝8時には出発し、圏央道経由で常総インター着は午前10時ごろ。運転手交代のためにサービスエリアで乗り降りする時間を除けば、車内での動作はほとんどなく、首や肩筋の張りがたまる一方だった。

「いやあ、どうなることかと思ったが、意外なほど順調だった。また来たいね」と元気なのはジュージ社長だけで、僕は即座に「金輪際断る」と拒絶。シゲルさんは素知らぬ風、車中で居眠りを続けるのだった。

それでもジュージ社長は黄色いイペーの花のまちづくりを熱く語る。花は一時だが、枝を煮出して作る草木染めの「黄色いハンカチ」で町なかを飾るのはどうだろうかと構想を練る。花とハンカチで「お帰りなさい」とばかり、ブラジル人を迎えるのだと国際交流の夢を描かれては、最早「手伝えない」とは言えないではないか。

持ち帰った80本の苗木は、その日のうちに常総市の圃場に植えられた。



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高隅ダム公園様のイペー移植作戦新聞報道


2019年4月13日土曜日

常総市様のイペー移植作戦 ・2019

 常総市様のイペープロジェクト活動の一環として、前田農園からイペーの移植作戦が行われました。その一部を動画でご紹介致します。フラワーパークかごしま様と高隈ダム公園様への各200本の移植に続き、約100本が移植されます。
 よいお話は続くもので、柳井市からも先刻嬉しいメールが届きましたので、画像の次にご紹介致します。





柳井市の友人からの嬉しいメール:

2019/04/13 (土) 16:33 

前田さん私の人生で一番心に残る話しを聞いて下さい。
このイペーのイベントをやろうと思ったのは大畠のイペーを植えている人に『自分が生きている間にイペーは見れるのか?』と言われて私は初めて自分だけのイペーではないのだと、みんなが興味をもち楽しみにしているイペーだと思いました。
亡くなった義母がこんな綺麗な花は見たことがないと花に興味の無い義母が言った時、私はとても嬉しかったです。
まだ、イベントは早いと思ったけれど今年はイペーが沢山の花をつけているのにビックリ‼他の花も沢山の花芽をつけてビックリ‼4年間一度も咲かなかった羊蹄木や20年以上咲かなかった花も今年は咲きそうです。
このイペーのイベントで地元の人達、宣伝していただいた人達に感謝。ボランティアでイベントの手伝いをしてくれる人達に感謝。人の繋がりって凄いんだなと涙が出るほど感激しています。
それもこれも前田さんと出会ったことで経験出来たことです。
本当にありがとうございました。

  下は前田が勝手に掲載: