この一房で、160輪以上あります。
メモ:
「T.alba山本・”葉”」は、Hさんが前田さんから導入されたT.albaの中の1本です。ですから、「池前アルバ」の中の1本と言うことになりましょう。
今回Y市で見たTAの集団は、遺伝的には大変なヘテロの集団でした。まるで電信柱のようにGA(ジベレリン)を出しまくって、唯ひたすら上へ上へと伸び上がっていく立性のものから(集団の大部分はこれ~これに近かった)、「T.alba山本・”葉”」のように小さいうちから分枝(花芽分化)し、着蕾・開花してくるFLG(フロリゲン)傾斜型まで、幅広い変異がありました。その意味では、「池前アルバ」の親木(原木)は、遺伝的に大変ヘテロな遺伝子型の個体だった、ということになります。
どころでGA出しまくり型は、FLG型に対して遺伝的に優性だとされています。これを裏返せば、FLG型に傾斜しかかった劣性の素材同士を掛合わせると、劣性ホモ~これに近いものが、ジャンジャン出てくることになります。私は「T.alba山本・”葉”」が劣性の極致だとは考えていません。もっと上があるのではないか、と思っているのですが、とにかく現時点で最高の遺伝子型の持ち主は「T.alba山本・”葉”」と「小出TA-H53」(この個体は着蕾していないので、この春は交配に使いようがない)の2つです。
またHさんのところには、これら2つに準じる個体がありました。この準じる個体(出来れば複数)に、「T.alba山本・”葉”」の花粉をかけて下さいとお願いしてきたのは、このような交配をすると、劣性ホモに近い領域の実生が、理屈の上ではジャンジャンでてくるからです。
Y市の皆さんが熱心にイペーに取り組んでくださったお蔭で、アルバのこの実態を見極めることが出来ました。本当に有難いことで、幾ら感謝しても感謝しきれません。そしてもう一押しすれば、稚樹開花ないし若年開花するTAがどんどん出て来ます。Hさん、どうか宜しくお願い致します。究極のゴールは、もう直ぐそこに見えています。
なお、「H-TC」との種間交雑が旨く結び付けば、別の意味で極めて有望な展開がある――私はそう確信しています。