群馬大学の火山学者 早川由紀夫教授が7月26日に作成(改訂)したマップです。商業目的以外での転載は許可されています。
ほんの少し解説します。気の小さい方は読まないほうがいいかもしれません。
下のマップで最も放射能レベルが低い、薄い緑色の地域の放射能の被曝の強さは 0.25μSv/h(マイクロシーベルト/アワー) 以上です。これを年間被曝の強さに換算すると 2,190μSv/年で、文部科学省の目標値である1,000μSv/年を2倍以上上回っています。
一方、2005年12月に施行された原子炉等規制法(資源エネルギー庁)によると、被曝量10μSv/年以下の廃棄物は、普通の産業廃棄物としてリサイクルや廃棄処分をしてよいことになり、大きな問題になっています(スソキリ法)。勿論、それ以上の放射能を帯びたものは、放射性廃棄物として特別な処分が義務つけられています。2,190μSv/年はこのスソキリ上限の 219倍、赤色の 8μSv/h 以上の地域は7,008倍以上の被曝量に相当します。
広範囲に突如空から降った放射性物質が、絶対に放置してはいけない環境を造りました。当然、水道水の水源地も含まれています。どのように対処するのか、大きな問題です。
10年先迄のセシウム137の海水中への拡散予測
(2013年9月30日追加:ドイツの GEOMAR がドイツの研究者6名[画面に記載]が作成したものとして、2012年7月10日に発表した動画を前田が引用)
GEOMAR ヘルムホルツ海洋研究センター、キール(=Kiel はバルト海に面したドイツ北部の都市)は、ヨーロッパの海洋研究分野における主要な機
関の一つ。研究所は、化学物質の研究、海洋と海底と大気との相互作用の物理的、生物学
、地質学的プロセスを研究している。
この動画で注目すべき点は、事故直後の数ヶ月で漏れ出たセシウム137のみを前提としており、その後引き続き漏れ出ている分は考慮されていないように見受けられる。それでも、最も高レベルになるアメリカ西海岸の濃度は、事故前の10億倍になると予測している。すなわち、事故前の日本近海の濃度が 0.001Bq/L であるから、その10億倍の百万Bq/Lになる。日本では放射性セシウムの飲料水中及び牛乳・乳製品中の暫定規制値は200 Bq/kg(≒L)と定められている。
動画の解説原文:
Deutsche Forscher haben berechnet, wie sich das Wasser,
das durch den Super-GAU in Fukushima-1 verstrahlt wurde, von der japanischen
Küste aus ausbreitet. Die Farben zeigen, wie es sich mit unverseuchtem Wasser
vermischt und verdünnt.
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