パウ・ブラジルを育てています。スオウ( Sappan )やサガの木(árvore saga=Adenanthera pavonina )、Tara(Caesalpinia spinosa、育てたことがある)など、似たような樹種が数十種類あり、本物のパウ・ブラジル Caesalpinia echinata にたどり着くまでに大変な苦労をしました。
この一群の樹種には、大変な歴史があります。インドなど東南アジアで発見されて活用されていた樹種よりも優れた特性を持つパウ・ブラジルが、1500年頃ブラジルで発見されたのです。伐採が進み、現在は国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種・レベルEN:(Endangered)に指定されています。バイオリンの分野では「ペルナンブコ」と呼ばれて特別扱いされています。
十数年前から本場のブラジルから種子を取り寄せて10回以上播種を繰り返し、2本がやっとまともに成長しています(下の2枚の写真参照)。種子の発芽率が極めて悪く、発芽した種子の成長も順調ではありません。短命種子ということは当初から知っており、しかるべく対応しています。
まず、種子の入手が簡単ではありません。ブラジルの友人などのご厚意に頼ったり致しました。結果的に、サンパウロ州のイビラプエラ公園のものと大浦文雄様宅に育っている親木からの種子が成長しています。種子の検疫を受けることも必須で、その面でも苦労しました。
樹上で成熟した種子は「パチン」と勢いよくはじけて飛び散ります。ジャングルならいざ知らず、公園などでは鳩などが待ち受けて全部食べてしましいます。種子の落下区域にネットを張って採種することもあります。
育成の参考にさせて頂きたいので、植物園など日本で育っているパウ・ブラジルをご存知でしたら教えてください。とりあえずの調査結果を最下段にご紹介いたします。
増殖技術として、挿し木や取り木の技術に関する情報もこのページの動画でご紹介致します。ただし、ポルトガル語です。
2017年2月1日に31粒を播種、1本のみ成長:
播種時の様子:http://kirishiman.blogspot.jp/2017/02/blog-post.html
2015年1月28日45粒を播種、1本のみ成長:
播種時の様子:http://kirishiman.blogspot.jp/2015/01/caesalpinia-echinata.html
播種時の様子:http://kirishiman.blogspot.jp/2018/01/3.html
播種時の様子:http://kirishiman.blogspot.jp/2015/01/caesalpinia-echinata.html
20018年1月9日に100粒と1月26日に51粒を播種、それぞれ2本と5本(1本は危うい)が発芽。
2月4日写真を撮影、追加播種時の様子:http://kirishiman.blogspot.jp/2018/01/3.html
1. パウ・ブラジルの水耕栽培:
2. 取り木の方法:
動画で、カッターナイフ(両刃・モロバ)を使っていますが、接ぎ木などで繊細な作業をする場合は片刃を使うべきです。切断面の片側だけが大事な場合が多いので、大事な側の組織が傷まないように切断すべきです。両刃はクサビみたいなものです。刺身を切る場合も両刃ではなく必ず片刃を使います。クサビを打ち込むと大切な組織がつぶれてしまいます。
3. 参考資料
その1:
パウ・ブラジルの木材としての一般的な説明: Daikin's 木材図鑑より引用
ペルナンブーコ(PERNAMBUCO)
主 産 地
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ブラジル東沿岸部のバヒアから南の森林に生息する。
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別 名
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ペルナンブーコ、フェルナンブコ、パラウッド、バイアウッド、パウブラジル、ブラジレット、ブラジルアイアンウッド
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外 観
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心材は明るい橙色から、深みのある濃色の暗赤色まで豊かに揃っている。濃赤褐色の変化に富んだ大理石模様の杢を持っており、そのなかにところどころピンノットがある。(ピンノット‥節のなかでも枝が生きている間に幹に取り込まれたものを生き節と言い、組織はつながっている。その小さなものをピンノット(葉節)と呼ぶ)木理が通直なことで選択される場合が多いが、しばしば交差している。肌目は凝縮されており、精で滑らかで均一である。天然の光沢がある。 |
主要特性
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非常に重厚な木材で、劣化をさけるために乾燥は時間をかけて行う必要があるが、乾燥後は非常に安定している。あらゆる基準で高い強度を誇るが、蒸し曲げには適さない。加工は時に困難で、刃先を鈍磨させる性質が強いため、つねに刃先は鋭く研磨しておく必要がある。 しかし切削仕上がりは良い。釘打ちには下穴が必要であるが、ネジの着性は良い。耐久性は非常に高く、接着性も良い。非常に滑らかで光沢のある輝度の高い表面仕上げを得ることができ、またしばしばヘビのような波紋杢があらわれているものもある。虫や真菌の害に対しては、耐性がある。 |
用 途
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染料を採るための木材として広く世界中に知られているが、その比重、柔軟性、強度、弾性のため、バイオリンの弓の材料として最適と賞讃されている。また装飾品用ろくろ細工や、ピストル、ライフルの銃床の材料としても人気が高い。 |
備 考
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総 称 名
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ブラジルウッド
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学 名
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Caesalpinia echinata
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産 地
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ブラジル
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科 目
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マメ科
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比 重
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気乾比重 1.20~1.28
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広葉樹
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参考資料:世界木材図鑑(産調出版)
木材活用ハンドブック(産調出版)
熱帯の有用樹種(大日本山林会)
木材活用ハンドブック(産調出版)
熱帯の有用樹種(大日本山林会)
その2.
パウ・ブラジル全般に関しましては、下記をご参照ください:
その3.
日本に育つパウ・ブラジル(Caesalpinia echinata)
パウ・ブラジルが前田農園以外に日本のどこで育っているかを知りたくて、小石川植物園様や新宿御苑様、牧野富太郎記念植物園様など、日本の主な植物園様にお訊ねしましたが、下記の二ヶ所以外にはありませんでした。浦添市観光協会様などにも確認しましたが、沖縄にも無いようです。
前田農園以外には下記の二ヶ所に育っていることを確認できました。
日本国内の温室などで生育してる情報がございましたら、教えて下さい。
①高崎市染料植物園
②はままつフラワーパーク(鉢植、調子が悪く、開花したことがない)
http://www.e-flowerpark.com/enjoy/2016/05/post-179.html
その4
ブラジルにおけるパウブラジルの分布(BUNKYO GAKKI様ののHPより引用)
前田註:Pernambucoとは、パウブラジルの別名です。
その5
以下は「Escola Ambiental de Lajedo - PE 」より引用:
5月3日はブラジルの「パウブラジルの国の日」です。
03 de maio Dia Nacional do Pau-brasil
No dia 3 de maio comemora-se o Dia Nacional do Pau-brasil, a árvore que deu origem ao nome do nosso país. Com o nome científico de Caesalpinia echinata, o Pau-Brasil também é chamado de arabutã, ibirapitanga, pau-de-pernambuco, pau-de-tinta, pau-pernambuco, entre outros, foi declarada árvore nacional, no dia 07 de dezembro de 1978.
A presença de pau-brasil na Mata Atlântica era muito grande até o século XVI. Porém, com a chegada dos portugueses ao Brasil teve inicio a extração predatória do pau-brasil. Os portugueses extraíam a madeira para vender no mercado europeu. A madeira era transformada em móveis, enquanto o extrato era usado na produção de corante vermelho.
Uma das características mais importantes do pau-brasil é a madeira pesada com a presença interna de um extrato que gera uma espécie de tinta vermelha. Por ser de alta qualidade, a madeira desta árvore é muito usada na fabricação de instrumentos musicais como, por exemplo, violinos, harpas e violas.
A árvore alcança entre 10 e 40 metros de altura e possui tronco reto, com casca cor cinza-escuro, coberta de acúleos, especialmente nos ramos mais jovens.
As flores possuem pétalas amarelo-ouro e uma menor vermelha, muito aromáticas e de beleza ornamental. Sua floração ocorre do final do mês de setembro até meados de outubro. Entre os meses de novembro e janeiro ocorre a maturação dos frutos.
Os frutos são vagens cobertas por longos e afiados espinhos, que devem protegê-los de pássaros indesejáveis, pois estes comeriam os frutos. Contém de uma a cinco sementes discoides, de cor marrom. A torção do legume, ao liberar as sementes, ajuda a aumentar a distância da dispersão.
O pau-brasil ocorre na Mata Atlântica, a partir do extremo nordeste do Brasil até o Rio de Janeiro, ou seja, nos estados do Rio Grande do Norte, Paraíba, Pernambuco, Alagoas, Sergipe, Bahia, Espírito Santo e Rio de Janeiro. Encontra-se na lista do Instituto Brasileiro do Meio Ambiente e dos Recursos Naturais Renováveis de espécies ameaçadas de extinção na categoria "vulnerável" e na da União Internacional para a Conservação da Natureza e dos Recursos Naturais na categoria "em perigo".
Texto e imagens: http://www.infoescola.com/historia/exploracao-do-pau-brasil/
http://www.suapesquisa.com/o_que_e/pau-brasil.htm
PREFEITURA MUNICIPAL DE LAJEDO - PE
SECRETARIA MUNICIPAL DE EDUCAÇÃO
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