2010年7月6日火曜日

パラナ松の播種方法

 パラナ松(Araucaria araucana:アロウカリア・アロウカナ、ブラジル リオグランデ・ド・スル州産)の実生に挑戦しています。2010年5月13日に畑の植床に皮付きのまま約70個を薄く覆土して播種しました(播種前の種子の状態は、当ブログの5月12日の記事参照)。4本がほぼ順調、その他に4本がなんとかなるかなというレベルです。途中で掘り出して皮をはいで植えなおしたものが約20個ありますが、梅雨の長雨の中、全て腐敗しました。失敗です。
 7月4日、梅雨の長雨で土の表面に出ていた、皮付きで発根しないものを全て回収したところ、8個だけ健全そうなものがありました。早速、皮をはいで一晩水に漬けて7月5日に鉢に植えかえました。鉢に植え替えて1日半後に5個発根しました(下記最下段の追加写真)。2ヶ月近く発根しなかった原因は、堅い皮に守られて、適当な湿分が与えられなかったことのようです。

 パラナ松の播種方法について、いろいろ調べたり若干の経験をしましたので、以下に整理します。畑より安全な鉢やトレーに植える場合を前提にします。

 ①パラナ松は裸子植物だが皮をはいで植えたほうがよい。その理由は、皮と胚子の間の空間などへの細菌の侵入を避けやすく、胚子に適当な湿分と酸素を与えやすい播種前に水に浸す。種子は高タンパク質で極めて腐敗しやすいので、半日から1日程度とする。播種後、殺菌消毒すると良い。
 ②植床は通気性、排水性の良い土が良い。松の盆栽に多用される真砂土(マサツチ)などが最適と思われる。
 ③種子は植床の表面に置く。種子をセットしたら消毒し、乾燥と細菌の
  侵入防止のため、ビニールなどで表面を覆う。腐敗しないよう通気に
  注意する。
 ④種子をセットした鉢、トレーは明るい場所に置く(腐敗防止)。適温は
  20℃との情報がある。10℃以下で発根したとの情報もある。直射日光が当る場合は温度の上がりすぎに厳重注意すること。
 ⑤条件が良ければ気温が20℃以上の場合、播種後1~2週間程度で発根する。条件が揃わない場合、種子は2ヶ月程度は健全な場合があるが、大半は腐敗する。又、種子は短命で、落果後なるべく早く植える。ブラジルから日本へ船便で輸送途中、発根してダメになったという話がある。

 写真は全てクリックで2段階拡大します

同級生のタミチャン(奈良県)に種子を一個だけさしあげたもの。極めて順調。一発一中、すごい腕前です!
 5月20日に砂(真砂土)に皮付きで植えた後、掘り出して皮をはぎ、1cmくらい覆土し、ナメクジ対策としてビニールをかけて日当たりのいい軒下で管理。毎日散水した。

 












前田の畑の植床に5月13日に播種したものの代表選手。


 












 7月4日、播種後2ヶ月近く経った皮付きの種子を回収し、皮をはいで健全そうなものを一晩水に漬けて7月5日、鉢に植え替えた。真砂土がなかったので硬質鹿沼土にセット。ダコニール1000で消毒した。サランラップで覆う。
 写真の一番下の種子は、発根先端が腐敗していたのでカッターナイフで切断した。多分ダメかも。















発根開始(7月7日朝、この写真追加):
 種子セット1日半後の7月7日朝、8個中5個が発根し始めた。(左端の1個は最初から発根していた)
 今まで2ヶ月近くの条件がいかに悪かったかが判る。














 7月14日朝の状態(7月14日この写真追加)
8個播種したが、2個は腐敗した。中央の黒い粒は固形油粕。長い梅雨は今日あたりで終りそう。
 












 7月27日朝の状態(7月27日この写真追加)
 

7 件のコメント:

Mitsu kinoshita さんのコメント...

初めまして木之下と申します。先月ブラジルから帰ってきた時に、お土産としてピャオン(種)を食用として持ってきたのですが、実家に庭が有るので、植えてみることにしました。季節がむこうと反対なので不安でしたが、発芽までは成功しました。私は向こうではパラナ州に住んでいるのでプランテーションの情報には事欠きませんが、皮を剥くというのは初耳でした。種は一杯あるので私もその方法で挑戦してみたいと思います。有り難う御座います。

前田久紀 さんのコメント...

木之下さん
コメントありがとうございます。
播種4年目で快調に育っている苗が30本くらいあります。
ピーニョンの実がなるまであと6~7年かかりそうです。
雌雄を見分けるのがそのころになるということで大変です。
幼木で雌雄を見分ける方法があったら教えてください。

Mitsu kinoshita さんのコメント...

今日は。私の住んでいるパラナ州のポンタグロッサ市は隣市名がアラウカリアというほどパラナ松が沢山ありますので、農学部の友人に意見を聞いてみたのですが、(以下参考までに)、

se vc tem bastante araucárias plantadas a chance de q sejam todas machos ou todas fêmeas é quase zero, mas existe a possibilidade, claro!!!

Eu tbm li q a diferença entre macho e fêmea é q a fêmea tem a copa mais "simétrica", ou seja, mais "bem arrumada", já o macho tem galhos visivelmente mais "desarrumados" ou dispersos entre si, mas não é regra geral...

Segundo eu já li também por ai, basta q tenha UM só macho para polinizar todas as fêmeas, q são as q produzem pinhas!!!

どうやらある程度の大きさにならないと、雄雌の見分けは難しいようです。基本的には枝の形で判断するようで、雌型の方が、綺麗な冠状の形を形成すると言っていました。

昨日確認したのですが、こちらも2つ目が出て来ました。ただ愛知県の下の方、豊川市なので、ポンタグロッサ市に比べて気候が暑いことを奇遇しています。

前田久紀 さんのコメント...

木之下さん
情報をありがとうございます。
私もかなり調べたのですが、10年くらい経たないと、雌、雄、雌雄同体かの区別はつかないようですね。
私は、寒さに弱いのではないかと心配していました。
逆に暑さに弱い可能性もありますね。実は、30本?くらい育っている中の数本の枝先が枯れて不調です。樹高は40cm位です。

Mitsu kinoshita さんのコメント...

いえいえ、私も植物の育成など行ったこともなくて、こちらへのお土産の一つだったピニョンを興味半分で庭に植えただけだったので、こちらこそ前田さんの貴重な情報には感謝しています。
そうですね、気候は一番重要なファクターだと思っていますが、大体向こうでも真冬は0~5度、真夏は 27~32度といった所です。ただこれは最低と最高気温の話しで、基本15~25度ぐらいです。10年前はもっと寒かったのですけどね。温暖化がパラナ松にとって向こうでも問題の様です。そしてパラナ州でも日系人の多い(日本に近い気候の土地)上の地方ではパラナ松は見受けられませんので、
過度な暑さも寒さにも弱いのではと思っています。それと湿った赤土が大半を占めていました。

前田久紀 さんのコメント...

木之下さん
畑の点検から今帰宅しました。
貴コメントで、だんだんパラナ松の最適環境のイメージが出来上がってきました。
畑で枝が枯れかかっているのは3本で、いずれも周囲の成長の速い木に圧迫されて、暑苦しいようです。早速移植してみます。
それと、パラナ州の赤土の件ですが鉄分、アルミなど、ミネラルが多い、アルカリ土壌ということでしょう。日本の酸性土壌は苦手なのかもしれません。松の木もそうです。松島の松は元気で長持ちしています。

Mitsu kinoshita さんのコメント...

そうですね。土の事は良く分かりませんが、パラナ州はアルミの鉱山が多々ありますので、前田さんの仰る通りだと思います。アラウカリアは今のブラジルでは伐採が禁止されていますが、私は30メートル級の大木しか見たことが有りません。現地人も危惧している事ですが若木があまり見当たらないのは温暖化による環境の変化への対応力低さ、自然での発育の難易度は高いという事だと思います。ですが、100年物の大木は本当に見ごたえのある美しい独特なフォルムをしています。こちらでは大きいと台風が心配ですけどね。