2016年6月29日水曜日

2016年の厳寒によるイペー達の寒傷み調査結果

  2016年1月25日未明、前田農園は零下9.1℃を経験しました(最後に参考資料添付)。それまでは例年にない温暖な日が続いたあとの、いきなりの厳寒で植物の被害は甚大でした。前田農園のイペー達の寒傷みの様子を調べて整理しました。
  当農園のイペー達は、これまで順調に育ち、数年前からほぼ毎年開花するものが出始めていました。2009年12月に播種して樹高4m迄育ち、2012年2月3日の零下5.3℃に見舞われた年以外は毎年開花していた樹種も大打撃で根元まで枯れ下がるなど、多くの樹種に被害が出ました。
  一方、枯れ下がり皆無の樹種が1種類確認できました。クリチーバ市産 T.alba「JS121117」で、24本が3.5m前後に育っています。又、播種1年目のため枯れ下がりゼロとはいかなかったものの、これを超える可能性を持つサンジョアキン市産の T.alba 2種類や、同市産の7種類約200本のT.albaも今年から試験対象に加わりました。
  前田農園では過去を含めると53種類、現在22種類288本、第3圃場の幼苗407本を含めると695本のイペーを試験栽培しています(ここでの「種類」とは分類学上の「種」ではなく、木の種類という意)。
  尚、有隅先生から耐寒性の調査に関して課題を頂いており、それについても最後に回答させて頂きました。
 
写真は根元まで枯れ下がったイペーとジャカランダ(樹高4m)
切り倒してキュウリの支柱に活用
 

1.調査期日 2016年6月28日
2.場所 前田農園第1圃場
3.調査データ
  下記添付資料参照
4.調査結果と評価
 1)耐寒性最強の樹種はクリチーバ市産のT.alba、ロットNo.「JS121117」である。調査データの②④⑦⑧にあるが、合計24本全てが枯れ下がり皆無であった。健全率:100%。開花特性は、昨秋初めて1個着蕾し、春先に蕾が膨らんだが葉の繁りが優先してアボートしてしまった。柳井市では同じ親木の同級性が9本開花し、鎌倉市では同じ親木の1年後輩が2本開花した。

 2)「JS121117」に続いて耐寒性が強いのは「SC131209白」(①(健全率:54%)③(健全率0%だが、枯れ下がりが10~20cmと少ない))及び「SC131207白」(③健全率0%であるが、枯れ下がりが10~20cmと少ない)である。若干の枯れ下がりが見られたが、日本の暖地では問題ない可能性がある。樹形や花の美しさで今後勝負することになる。

 3)期待のサンジョアキン-1「SJ-1・1502xx」⑨は健全率:40%、サンジョアキン-2「SJ-2・150218」は健全率:①大=4%、①小=6%、⑥53%、⑩12%)である。植栽場所の条件は⑨と⑥が類似しており、まだ優劣はつけがたい。

   4)T.alba以外ではクリチーバ市産のSerratifolia?「RT1506××」(⑥⑫)がダントツで、幼若でありながら合計29本中20本が枯れ下がりなしであった。⑥の健全率:55%、⑫の健全率:100%、平均69%。但し本グループは樹高15㎝程度で厳寒時に厚さ約15cmの雪の布団を被って零下9.1度の冷気を凌いだので有利だった。
 その次が「C131209黒」(⑦)が21本中1本が枯れ下がりなしで、他も枯れ下がりが10~20cmで軽微であった。独立での展開やT.albaとの交配に使える可能性がある。

 5)期待していたカンポスドジョルドンは根元迄枯れ下がり、耐寒性が優れてはいない。又、ポルトアレグレ市産のイペーアマレーロ2009年播種も、播種2年目から開花して4mまで成長していたが、根元まで枯れ下がるものが出るなどで増殖を断念することになる。

 6)一般にイペーロッショは耐寒性が弱いが、風車小屋ロッショ「PA風1012××」は極めて耐寒性が強い。4mもので、枝の先端の枯れ下がりが5~20㎝前後のものがある。但し、個体差が大きく、根元50cmまで枯れ下がったものが1本ある。前田農園で十種類以上のイペーロショを試験栽培したが、ダントツに強い。但し、開花までの年数がかかる。

 7)畑の中では耐寒性が最弱の「イペーヴェルディ」も地際まで枯れ下がったが根元からひこばえが出て、絶えることはなさそう。昨年は開花した。

 8)過去に、イペーブランコは零下3度程度の寒さで小苗が数十本全滅した。

5.あとがき
 昨冬の厳寒で耐寒性の有望株が見つかり、幸運であった。クリチーバ市産の樹種が全体的に耐寒性が優れている。種子は全て街路樹や公園の親木から採取されているが、市の植栽部門が地域の涼冷気候を考慮して樹種を厳選していると思われる。行政としては当該地の最低気温を想定して、その気温に耐える樹種を導入しているはずである。それを怠れば税金の無駄使いになる。イペーを植栽している行政に、最低気温を何度に想定しているかを聞いてみたいものだ。その意味でも、冷涼地であるサンジョアキン市もしっかりしている印象があり、同市からの7種類にも期待している。私が試験栽培している樹種はご協力者によってこれらの中から更に選抜されたものである。感謝に耐えない。
 
イペー達の植栽圃場の配置図と調査結果(野帳)
全てのグループに健全率を記入している(a/b)
 
  有隅先生からのご質問に対する回答:

<種類別、系統別の「枯下がり皆無個体の比率」や「枯死株率」を記録しておいて下さると、非常に貴重な資料になります>
A:枯れ下がり皆無個体数と母数は上記記録に明示しました。枯れ死株率はJ.cuspidifoliaを除いて、全てのグループともゼロでした。少なくともひこばえは出る状態です。
 
(1)T.albaを幾つかの集団に分けて、 枯下り皆無個体に赤マークを付けておいででしたが、それの各集団内での%を知りたいです(同一系統でも植える場所が違うと、微妙に違った例も在りましたよね)
A:植えた場所毎にデータを明示致しました

(2)T.alba以外の「種」や系統で、耐寒性に関してどうにもならない、劣悪な素材もありましたよね。これらの出所・給源も、この際明らかにしておいて下さると、有難いです
A:今回のデータでは読み取れません。樹種として全てが枯れ死したものはクリチーバ産のイペーブランコを除いて皆無です。過去に50種類以上を試験栽培しており、その樹種は記録しています。下記のリストの中で今回の記録に登場していないものはその類とご理解ください。

(3)これはジャカランダについても同様です。La Pazがまだ幼苗なのに、優れた結果になっていましたが、枯死した実生があったかどうか聞き落としていました。正確な枯死株率が知りたいところです
A:枯れ死した株は皆無です。期待が持てます。 

(4)逆に、耐寒性が弱いとされるJ.cuspidifolia3株(?)の生き残りがありました。これはJC全体の何%だったのでしょうか? 貴重な個体ですので、これらは是非残しておいて下さい(不要なら頂戴いたします)。またJC生存株の萌芽位置とLa Pazのそれとの間に違いがあれば(JCは地際すれすれ、La Pazはかなり上から、と言った)、これも面白いです
A:種子は25粒播種し、確か15本畑に移植したと思います。昨冬の寒害で大打撃を受けて、3本がひこばえを出していますが、あと2本がひこばえを出しそうです。あとは根まで迄枯れ死です。種子の様子は下記です。当面、私が育てたいと思いますが特に研究上お入用ならさしあげても結構です。私はラパスに期待しております。

(5)巨大になっていた(サイズが大きいだけにそれだけ耐寒性が付いているはずの)ジャカランダ(J.mimosifolia)が、見るも無残に枯下っていましたが、何個体の集団だったのでしょうか。また給源もこの際、明らかにしておいて下さると有難いです
A:池田さんからの初期のものです。個体名などは不明です。5mになっても開花せず今回の厳寒でダメでした。 

(6)地上数10cmから萌芽したJ.puberula(?)を1株残しておられましたが、このJP集団の枯死株率は何%だったのでしょうか
A:枯れ死したものは1本もありません。全てが3~4mになっていましたが、いきなりの零下9.1℃で地際40~50cmまで枯れ下がりました。今、ひこばえが1mくらいまで10本くらい伸びています。
 
お手数をおかけして申し訳ありませんが、どうか宜しくお願い致します。因みに、武岡圃場でのLa Pazの生存株率は、42/51= 82.35%(枯死株率は逆に17.65%)でした。同年齢の交配実生に比べると、遥かに良い結果でした。
A:当地より温暖な有隅圃場で枯れ死が出たとは驚きです。成長の程度(播種時期)の差でしょうか。
 
参考資料:
 2016年1月25日未明の寒波の様子
 

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2016年6月28日火曜日

イペーロッショが東京で活着

 5月23日発送した Tabebuia heptaphylla「風車小屋ロッショ:PA風1012xx」1.7mもの2本(同級生)が東京で見事に活着しました。1.7m以下に抑えるべく昨年の4月に根回しと枝を切断するなど、1年がかりの移送大作戦でした。1ヶ月で見事な発芽です(本日写真入手)。
 
その1:発送時葉の大半を切断したが
新芽が伸びて葉が茂った
 
その2:発送時発芽の気配だけだったが
多数発芽した



2016年6月25日土曜日

タベブイア属(Tabebuia genus)の和名「ギンヨウノウゼン属」は変更すべき

   現在、イペーが日本国内に広まりつつある。「イペー」は一般名で、学名 Tabebuia属に属する。   
   「日本の樹木」(初島住彦著 講談社 1976年初版)によると、タベブイア属(Tabebuia genus )の和名を「ギンヨウノウゼン属」としている(下記資料)。「約100種を産する」と書かれていることから、タベブイア属(Tabebuia genus )全体を指していることがわかる。この資料に基づき、日本の斯界の一部で「ギンヨウノウゼン属」という言葉が使用されている。
 タベブイア属(Tabebuia genus )に和名「ギンヨウノウゼン属」を冠することはその様姿や性質から判断してあり得ないことだと考える。T.argentea  という「種(しゅ)」に「ギンヨウノウゼン」という和名を冠することは、葉が白く輝いたりするようで、特徴を捉えた適切な命名と思われる(argenteaはラテン語で「銀色の」という意味、argentumは銀)。
 しかし、この T.argenteaとタベブイア アルバ(T.alba、成木の葉の裏は美しい銀色)以外は、約百種類存在すると言われるタベブイア属の「種(しゅ)」の大多数が、これに類する特徴をもっていない。これらが近年日本に普及してきたから問題が大きくなる。
 T.argentea  という「種」の和名をつける際に、充分な検討がなされることなく、その属名に「ギンヨウノウゼン属」を冠してしまったのではないかと推測する。さらに、ギンヨウノウゼン属(新称)とすべきと考えるが(新称)がなぜか欠落している。ここでの命名以前にギンヨウノウゼン属という呼称があったのだろうか。
 「ギンヨウノウゼン属」という和名を変更するなど、斯界のご関係の皆様の適切な対処を期待致します。少なくとも「ギンヨウノウゼン属」という表現は使うべきではないと考えます。

クリックで資料は鮮明になります      「日本の樹木」(講談社 1976年発行)より引用 



2016年6月22日水曜日

イペーの根回し完了

 タベブイア・アルバ(JS121117)が2m以上に成長したので、根廻しをしました。梅雨の豪雨の中での重労働でした。
 ゴボウ根のため根鉢は作れないので、引き抜き状態で根を30~40cm残して切断しました。葉を間引くか迷ったのですが、状態がよいのと降雨を期待して間引くのをやめました。ほとんど萎れることもなく活着しそうです。
 6月17~19日:2~3mもの19本
 6月20日    :3~4mもの5本   総計24本
 
根廻し後の植栽の様子写真は全てクリックで拡大します
 
 右の2本が4mもの(上の写真と同じもの)
 
右の1本が4mもの
写真では判りにくいですが、支柱はしっかりしてあります。
 
中央の1本が4mもの

  今春から現在までに発生した不要根と不要枝で423本の挿し根と62本の挿し木をしました。下の2枚の写真以外に3か所あります。

下の写真の場所に挿し根123本

 
下の写真の場所に挿し根142本、挿し木58本
 
   参考: 
 以前、イペーの根廻しをした記録をと思って探しました。 2013年6月22日の動画「ブラジルから来たイペー達の様子:前田農園」です。
 真ん中あたりに「T.alba(JS121117)の播種後半年目の様子」も出てきます。最後に和田アマレーロの根廻しの様子が出てきます。
   https://www.youtube.com/watch?v=GwFTyo-OZlk
 
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2016年6月18日土曜日

北海道のイペーの植栽試験

 イペーを日本に広めたいとのことで、北海道に植栽試験をお願いしています。1.5m前後の苗4本と種子7種類をお届けしています。4月27日に蒔いた種子が52日かかって3芽発芽したとのことです。  圃場はハウス内ですが加温なしです。苗木(ロットNo.「JS121117」)は、お願いした4本すべてが問題なく発芽すると思います。
 

下段の枝は発送時に前田が切断しました。




2016年6月11日土曜日

有隅先生の前田農園ご視察:2016年6月10日

 6月10日、13時過ぎから17時頃まで有隅先生の前田農園ご訪問の栄を賜りました。先生の鋭いご観察記録やご感想などを頂きましたので記録させて頂きます。

 
  1. 有隅先生のご訪問後のコメント 

   前田さん 小出さん 池田さん 「花咲爺の会」の皆さま
                                    有隅です
 昨6月10日、霧島市の前田農園を訪ねました。空前絶後とも言うべきこの冬の大凍害に対するイペーやジャカランダの被害状況をつぶさに見届けたかったこと、それにT.albaの銀葉化問題について、その実態をこの目で確かめたかったこと、にあります。
(1)これまでイペーに関し、色んな「種」や採種元(源)を異にする系統が供試されてきましたが、前田農園で見る限り、耐寒性に関する最強の「種」はT.albaであると断定し ても差し支えない、との感を深くしました(こう結論付けても、大きな誤りはありません)。今後日本でイペーの普及を進めるとして、この「種」を措いて他にない、との結論に達しました
(2)そのT.alba種内には、採種地や採種母本の違いによって、つまりその違いに基づく「系統」の違いによって、耐寒性に差が見られました。これは当然予想されたことでしたが、現実にその実態に触れて、育種の在り方に大きな方向性を得られたように感じました 
(3)前田さんは耐寒性最強の系統は、「JS121117」だとし、新しく入ってきたSão Joaquim 産の諸系統との耐寒性の強弱を今後確認したい、ということでした。その結果がどう出るか、今後の普及や育種と関連して大いに注目されるところです
(4)前田さんはこの「JS121117」を増殖しようと、枝挿しと根挿しをしておられましたが、根挿しの方が成績が良いとの見解でした。これは同感です。なお、挿木(枝挿し)は畑にいきなり挿し付ける方法でしたが、これで好成績で活着するなら、是非その手法を公開してもらいたい、と思いました(私の常識では、先ずは鹿沼土に挿し付けたくなります)
(5)そしてこの「JS121117」の苗4本を北海道に送付済みで、その耐寒性を確認したいとのことでしたが、その結果がどう 出るか、もうゾクゾクしますよね
(6)一方、T.albaにおける銀葉の発現がどんな風に行われるのか、その実態を知りたいというのも、この訪問の大きな目的の1つでした。幸いに前田農園にはいろいろなサイズ(Age)のT.albaがありましたので、比較検討をするのに大変好都合でした。
その結果;
(7)まず系統の違いによって、早くから銀葉化してくる系統と、そうでない系統のあることが、確認されました。また1つの系統内では、早くから銀葉化を始める個体とそうでない個体があること、つまり個体間差(差異)も見られました。更に1つの個体で見ると、その部位によって違いが見られました。樹木一般に共通する問題ですが、どんな巨木 でも一番若い部位はかつての双葉の部位、そして一番老化した、Ageの進んだ部位が樹冠の最外層=各枝条の末端部です。そして当に、そのような個体が見られました。今春伸びだした枝条の先端部は銀葉なのに、その下位には緑葉⇒銀葉への移行期の「まだらの葉」があり、更に最下位、つまり地際から伸びだした「ヒコバエ」の葉は、全て緑葉でした
(8)この銀葉化については、私自身隔靴掻痒のモヤモヤした思いをしていたのですが、これですっきりしました。T.albaはAgeの進行とともに、「早晩はあっても緑葉から銀葉に変わる」、ということです
(9)ジャカランダに関しても、衝撃的な事実に出会うことが出来ました 。樹高5~6mはあろうかという大きなジャカランダがモノの見事に地際まで枯下がり、そこから細々と再生しようとしていたことです。これではまったく積んでは潰える、賽の河原ですよね。
(10)このような中で、種子の給源を吟味するとこうも違うのか、という事実にも出会いました。モノはボリビアはLa Paz在住の友人に依頼した種子(標高3300m)によるものですが、小苗なのに見事な生育振りを示していました(残念ながら枯下がりはあり)。これは拙宅においても、同様でした
(11)São Joaquim のT.albaの耐寒性には、刮目すべきものがありますが、Santa Catarina州の同市その他の高冷地にジャカランダの植栽があって、その種子を供試することが出来れば、ここでも新しい道が開けそうです。ブラジルの方々に、ご協力をぜひお願いしたいところです
以上充分ではありませんが、前田農園見聞記を取り纏めました。パラナ松や朝鮮・白頭山産の松など、驚嘆すべきモノにも出会いましたが、これらは割愛いたします。前田さん、どうも有り難うございました。

2. T.albaの銀葉化の時期について (文責・前田)     
結論:
早いものは播種後1.5年で銀葉化するものが出る。
播種後2.5年ですべてが銀葉化した樹種がある。
あと半年程度で確認できるが、現在前田農園で生育中のT.alba
全数が播種後3年で銀葉化すると予測する。
①2012
1117日播種(池田邸前・「JS121117」)
2015
年春には約30本全部が完全に銀葉化した。
以下は2016610日現在の各樹種の状態:
②2013
127日播種(サンタカンジダ・「SC131207」)
30本中1×4本と0.7m×2本が銀葉化、他も続くと思われる。
③2013
129日播種(カブラル地区・「C131209」)
25本中1.5m×8本と0.5m×1本が銀葉化、他も続くと思われる。
④2014
5月播種(サンタカンジダ・「SC1405××」その1 発芽後1ヶ月で畑に移稙。
10
本中全部が銀葉化、樹高2.02.5
⑤2014
5月播種(サンタカンジダ・「SC1405××」その2  畑に移植する場所がなく、ポットのまま1年管理後、畑に移植。
30本中1×5本と0.7m×2本が銀葉化。に比べて銀葉化が遅い。
⑥2015
218日播種(サンジョアキンⅡ・「SJⅡ150218」)
40本中1.5×2本と1×1本が銀葉化。
2015年春播種(サンジョアキンⅠ・「SJⅠ15××××」・S様より苗を10本入手)
10本中銀葉化ゼロ

追記:
後日の有隅先生からの宿題

その1.
Date: 2016/6/12, Sun 14:03
Subject: イペーとジャカランダのデータ

前田さん 
     有隅です 

皆さんに華々しく取り上げられるのは、いささか面映ゆいのですが、まぁそれは良しとすることにして、とにかく今回の現地観察はとても良い勉強になりました。目から鱗の思いも致しました。それで折角の機会ですから(マイナス9℃余りは、常時にとはいかない、と思いますので)、この際簡単で結構ですのでデータを取って、後々まで残るようにして下さいませんか。お願い致します。

<種類別、系統別の「枯下がり皆無個体の比率」や「枯死株率」を記録しておいて下さると、非常に貴重な資料になります>

(1)T.albaを幾つかの集団に分けて、 枯下り皆無個体に赤マークを付けておいででしたが、それの各集団内での%を知りたいです(同一系統でも植える場所が違うと、微妙に違った例も在りましたよね)

(2)T.alba以外の「種」や系統で、耐寒性に関してどうにもならない、劣悪な素材もありましたよね。これらの出所・給源も、この際明らかにしておいて下さると、有難いです 

(3)これはジャカランダについても同様です。La Pazがまだ幼苗なのに、優れた結果になっていましたが、枯死した実生があったかどうか聞き落としていました。正確な枯死株率が知りたいところです

(4)逆に、耐寒性が弱いとされるJ.cuspidifoliaに3株(?)の生き残りがありました。これはJC全体の何%だったのでしょうか? 貴重な個体ですので、これらは是非残しておいて下さい(不要なら頂戴いたします)。またJC生存株の萌芽位置とLa Pazのそれとの間に違いがあれば(JCは地際すれすれ、La Pazはかなり上から、と言った)、これも面白いです

(5)巨大になっていた(サイズが大きいだけにそれだけ耐寒性が付いているはずの)ジャカランダ(J.mimosifolia)が、見るも無残に枯下っていましたが、何個体の集団だったのでしょうか。また給源もこの際、明らかにしておいて下さると有難いです

(6)地上数10cmから萌芽したJ.puberula(?)を1株残しておられましたが、このJP集団の枯死株率は何%だったのでしょうか

お手数をおかけして申し訳ありませんが、どうか宜しくお願い致します。因みに、武岡圃場でのLa Pazの生存株率は、42/51= 82.35%(枯死株率は逆に17.65%)でした。同年齢の交配実生に比べると、遥かに良い結果でした。
 
その2.
有隅 健一                                        2016/06/13                                     
                                              
宛先: 前田 久紀              
               
 
送信日時:2016年6月13日 9:49:38
宛先:前田 久紀
 前田さん
     有隅です 

何故時々配信不能が出るのか、原因不明です。W10に機種変更したからでもないように思うのですが…… 

さて、記録の件、ご了解いただき有難うございます。
ところで1つ、大事なことを落としていました。イペーの挿木の件で、活着が終わってからでよいのですが、枝挿しと根挿し夫々の活着率と、根挿しの場合はどの程度の太さまで再生(活着)が可能なのか、最小の根径(その時の長さも)が判ると、皆さんが増殖される際に大変良いメヤスになりますので、是非総括をお願いしたいところです。

またジャカランダでは如何でしょうか。ジャカランダの場合、根挿しはあまり効かないように思っていますが…… 枝挿しも畑にいきなり挿木をやっておいでなのでしょうか。ご教示をお願い致します。
 
その3.
有隅健一
2016/06/13
                                   
宛先: 前田 久紀                  
             
              
送信日時:2016年6月13日 18:07:09
宛先:前田 久紀
               
前田さん 
      有隅です 

イペーの移植時期のことが問題になっていましたが、熱帯、亜熱帯原生の植物は充分高温になってからの移植の方が安全だとされていますので、梅雨の間でしたら何時でも良いのではないでしょうか(梅雨明け以降は、乾燥が引っ掛かりますので、大きく遅らせるわけにはいかぬと思いますが)。

その際に大事を取れば、(1)盛んに伸長している場合、少し切り下げて腋芽が動き出すまで待つ (2)この腋芽の動きを見定めてから、全葉を摘葉して・即 掘り取り移植をする――ということでは如何でしょうか。

この活動中の芽を付けておく(但し大きく突出させては不可)ことは、スムースな発根に繋がっていくと思います。










 



2016年6月9日木曜日

埼玉のイペーの生育状況:2016年6月8日撮影

 埼玉県北足立郡の植栽地の昨冬の最低気温は零下7.0℃。風車小屋ロッショとカンポスドジョルドン以外は全て寒傷み全くなし。霧島市の前田農園(最低気温零下9.1℃)の結果と同様の傾向を示した。但し、前田農園ではタベブイア・アルバ(JS121117)のみが全く寒傷みがなく、他は樹種で程度の差はあるが寒傷みが出た。両地の最低気温の差の影響が認められる。
 群馬県の大泉高校の昨冬の最低気温は零下2.5℃で、植栽試験体は全て寒傷みがなく、三ヶ所の試験栽培の結果は整合性があり納得できる。
  耐寒試験のデータを補強する目的で群馬県と埼玉県でも試験植栽をして頂いているが、残念ながら昨冬の最低気温は前田農園が最低で埼玉、群馬の順になってしまった。

  ①タベブイア・アルバ(JS121117)
国内で冬の寒さで枯れ下がったという情報がない樹種。
最高最低記録温度計を装備。
 
②タベブイア・アルバ(SC131209白) 
 
③タベブイア・アルバではない中では耐寒性最強。(C131209黒)
 
④タベブイア・アルバ(SC131207白)
春、前年葉がある状態で最速発芽。 
 
 ⑤風車小屋ロッショ(PA風1012xx) 
ひと夏で約1mから2mまで伸びたが寒傷みで根元まで枯れ下がる。
この種は耐寒性に個体差がある。この木は弱かったか。

⑤-1 枯れた木を根元から切断。根から新芽が2本出ている。
               樹勢は大変良いが、耐寒性が無いのだ。

 
 ⑥サンジョアキン2 
 
 ⑦カンポスドジョルドン、寒傷みで根元まで枯れ下がる。
生きている部分で切断して発芽させる技術は一流。
 
 


2016年6月5日日曜日

イペーの挿し根と挿し木:2016年6月

 樹種はタベブイア・アルバでロットNo.「JS121117(親木は池田邸前、2012年11月播種)」です。昨冬の零下9.1℃を約20本すべてが無傷で乗り切り、しかもその中の1本は昨秋着蕾した蕾が春にかなり膨らんだのですが開花までは至らなかったものです。温暖な柳井市では同級生が9本開花しました。
 他の樹種は全て多少なりとも枯れ下がりがあり、畑にある中ではこの樹種が耐寒性が最高であることを確認しました。現在、サンジョアキンからの9種類の新種なども試験栽培して、これを越す樹種の出現を期待していますが、とりあえずこの樹種の増殖を計ることにします。
 6月5日、まず約20本の親木から挿し根を91本採取し、昼までに挿し床に挿しました。大変な重労働です。午後、親木の不要枝を整理して、挿し穂を43本確保、挿し根の空いた部分に挿しました。約40日前に17本挿し根していますので、これで挿し根が合計108本、挿し木が43本、総計151本になります。
6月6日追記:
 本日挿し根を19本追加して、合計127本、総計170本になりました。
6月8日追記:
 本日挿し根を13本追加して、合計140本、総計183本になりました。
6月9日追記:
 本日挿し木を25本追加して、挿し木合計68本、挿し根合計140本、
総計208本になりました。
6月11日追記:
 お隣の東郷さん宅に銀葉イペー「JS121117」を移植した際、挿し根を11本追加、挿し根合計151本、挿し木合計68本、総計219本になりました。
6月21日追記:
 16日に、3.5mもの4本の根回し作業を開始、20日までに完了しました。その間の実施分を合わせると挿し根423本、挿し木62本、総計485本になりました。挿し根などの場所は5か所に分かれています。
写真は6月7日撮影です。
6月11日追記:
 挿し根から6日目の11日、1本発芽を確認、極めて異常な速さ。挿し木も数本芽が動き出した(勿論、根はまだ出ていないはず)。
 

40日前に東京都のJ植物公園に2本出荷した際採取した根を挿した。
形成層から上に向って発芽している。勿論胴吹きするものもある。
挿し根した17本の活着率100%、東京都の本体2本頑張れ!。