「日本の樹木」(初島住彦著 講談社 1976年初版)によると、タベブイア属(Tabebuia genus )の和名を「ギンヨウノウゼン属」としている(下記資料)。「約100種を産する」と書かれていることから、タベブイア属(Tabebuia genus )全体を指していることがわかる。この資料に基づき、日本の斯界の一部で「ギンヨウノウゼン属」という言葉が使用されている。
タベブイア属(Tabebuia genus )に和名「ギンヨウノウゼン属」を冠することはその様姿や性質から判断してあり得ないことだと考える。T.argentea という「種(しゅ)」に「ギンヨウノウゼン」という和名を冠することは、葉が白く輝いたりするようで、特徴を捉えた適切な命名と思われる(argenteaはラテン語で「銀色の」という意味、argentumは銀)。
しかし、この T.argenteaとタベブイア アルバ(T.alba、成木の葉の裏は美しい銀色)以外は、約百種類存在すると言われるタベブイア属の「種(しゅ)」の大多数が、これに類する特徴をもっていない。これらが近年日本に普及してきたから問題が大きくなる。
T.argentea という「種」の和名をつける際に、充分な検討がなされることなく、その属名に「ギンヨウノウゼン属」を冠してしまったのではないかと推測する。さらに、ギンヨウノウゼン属(新称)とすべきと考えるが(新称)がなぜか欠落している。ここでの命名以前にギンヨウノウゼン属という呼称があったのだろうか。
「ギンヨウノウゼン属」という和名を変更するなど、斯界のご関係の皆様の適切な対処を期待致します。少なくとも「ギンヨウノウゼン属」という表現は使うべきではないと考えます。
クリックで資料は鮮明になります 「日本の樹木」(講談社 1976年発行)より引用
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