最初、イペーではないかと思いましたが、ジャカランダです。同じ「ノーゼンカズラ科」で、親戚ですので不思議ではありません。
以下は池田さんのメモです:
前田さん 池田です。
近所に二本しか無い特殊な青紫色のジャカランダのようです。本では見つからないので正式名本命解りません。高さは3~4m程度です。花の形状はジャカランダの大きい花です。耐寒性には強いと思います。霜の降りるクリチーバで生き残っているのですから大丈夫と思います。
(写真はすべてクリックで拡大可 )
サンパウロの松村さんから、次の二枚の写真が送ってきました。パウリスタ大通りに植えてある「CAROBA」という品種だそうです。樹高は約2mとのこと。クリチーバのものと同じもののように見えます。
「お便りを戴きながら失礼していました。いろいろ調べていましたが、結局ナニモノか判りませんでした。
ご参考までに、橋本梧郎先生の検索表を添付しておきましたが、ご承知のように、ジャカランダ属は葯室の数で先ず大きく2つに二分されます。
松村さんの写真は花の色からして明らかに二葯系ですが(但しJ.carobaかどうか…J.puberulaのようにも思えます)、池田さんのはどうも一葯系の色です。この一葯系で葉が大きいのにJ.copaiaがありますが、これは樹高30mにも及ぶ巨木ですので、これには該当しないようです。そうなるとJ.cuspidifoliaと言うことになりますが、もしもこれだとすると、かつてアルゼンティンで関わったことがありますので(多数の実生を育成)、実物を見れば当否は判ると思います。また池田さんに「blog Timblindim Jacaranda
cuspidifolia」で検索して頂くという手もあります。これで多数の写真が出てきますので、現地の実物と比較して貰うと、見当が付くのではないでしょうか。
私にとっても、この池田さんのジャカランダは大変興味深い「種」に見えますので、次の種子が出来る際にでもお願い出来たら、大変有難いです。
それではまた。 有隅拝」
7月3日追記:
②サンパウロの松村さんに種子を送って頂いたジャカランダ・ブラジリアーナ4種類です。
2011年12月11日に播種しました。右端の大きな3本(2本しか見えない)はパライソで断トツに強く、生育がよい。その左の2列(緑のバーの右側)はアレキサーナ、緑のバーの左側は全部カイサラです。ベレンは1本生き残っていますが、新芽が出ません。
7月3日追記:
「池田 さま
大葉のジャカランダについて、J.cuspidifoliaの可能性を指摘していましたが、少し気になる
ことがあって、もう一度貴台が撮られた写真に戻ってみました。
私は花の色から1葯型と速断しましたが、実物と写真では、色調が違っていることはありま
せんか? 実際はもっと赤味(ピンク~バラ色)が強い色だった、と言った……
と言うのが、写真で見直したところ、萼が円筒形の萼筒をなしています。その形は松村さんの
それと、そっくりです。少なくともJ.cuspidifoliaのそれではありません。と言うことで、この未知
の大葉種は2葯型の可能性の方が大きくなってきました。
来シーズンの花時になりましたら、先ずその葯が1室なのか、2室なのかを確認して下さい。
そこからこの未知の種の同定が始まります。
またポルトガル語(またはスペイン語)で書かれた、ジャカランダ属の検索表や、分類学上の
記載や線描画があるかどうか…… これらがあれば、随分調べやすくなります(日本語では、
橋本梧郎先生の「ブラジル産薬用植物事典」がある)。大学などの図書館や植物学教室など
を当られることを、お勧めします。
それからUSAのMissouri Botanical
Gardenには、南米の植物に関する膨大なデータの蓄積
があります。ここでJacarandaを検索すると、標本採集地などに関するいろいろなデータが出
てまいります。
それでは、また。
有隅健一」
パライソ:樹高30cm、下端5本は池田さんの「広葉ジャカランダ」の一部。
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