自己紹介

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霧島市, 鹿児島県, Japan
造園施工管理技士、土木施工管理技士、公害防止管理者(大気、水質各1種、 騒音、振動)

山岳関連のホームページも是非ご訪問ください!(下記をクリック)

2014年9月23日火曜日

Ipê-roxo-anão (T. Avellanedae):池田さんのメール

有隅先生 前田さん 小出さん 皆さん
                                池田です
 
Ipê-roxo-anão (T. avellanedae)
T. Avellanedae, variedade ; paulensis (bignoniacea)
分類; Paulensis (Bignoniacea)  の花が咲き始めました。
素晴らしい蕾で大ポンポンのようですしこれから1月まで楽しみが続きます。前に60年間住んでおられるおじさんと話しながらいろいろ聞いたらT. avela は20年前アスファルト舗装された時市が植えたとのこと、種子が完熟したら採って保管してくれると言ってくれました。
 
 
 

2014年9月22日月曜日

鹿児島県は「管理型産廃の埋立て処分ゼロ」を目指せ

    この項目は2011年10月にアップロードした内容の再アップです:
    鹿児島県初の公共関与の産業廃棄物処分場計画に、薩摩川内市の処分場建設地域の皆様が激しく反対しておられます。甲子園球場とほぼ同じような面積の山間部の窪地に、約六十万立方メートルの廃棄物を十五年間に亘って埋め立てる計画です。
 国内には廃棄物の管理型処分場が約千ケ所あり、これらの排水に有害成分が混入するなどで、多くの公害事件を起こしてきました。
 一方、日本では廃棄物を中間処理したり、最終処分する技術が目覚ましく進歩しています。国の資金援助を受けた民間企業と早稲田大学との共同研究で山元還元」という「埋立て廃棄物ゼロ」を可能にするシステムが開発され、実用化されています。幸い、この新技術は九州の二つの会社で事業化され、すでに県内の数か所の地方自治体がこれを活用するなど、一般廃棄物の分野では「埋立て廃棄物ゼロ」を実現しつつあります。
 企業が排出する産業廃棄物の分野でも、多くの地方自治体が採用している溶融処理システムや、民間企業の廃棄物中間処理技術を活用するなど、鹿児島県の総合的な廃棄物処理システムを構築して、「埋立て廃棄物ゼロ」を早期に実現すべきです。


   国内の山元還元の工程を所有する会社の例(筆者調べ):
  ①光和精鉱(株)・北九州市
    日置市クリーンリサイクルセンター(約300T/年)、千葉県流山市、八街
    市、埼玉県所沢市などが飛灰を納入。
  ②三池精練(株)・大牟田市
    姶良西部衛生処理組合(700~800T/年)などが飛灰を納入。
  ③三菱マテリアル(株)直島製錬所・香川県直島町
    香川県さぬき市などの飛灰、土庄町豊島の不法投棄物などを納入。
  ④中央電気工業(株)・茨城県鹿嶋市
    茨城県鹿嶋市、石岡市などの飛灰を納入。
  ⑤㈱MTR・青森県八戸市(三井金属(株)と太平洋金属(株)の合同事業)  
    八戸市などの飛灰を納入。ホタテ貝殻の処理との組合せ技術が特徴。


 以下は参考資料です:
  非鉄金属製錬業界のリサイクル原料・廃棄物処理技術に関するデータ
                     (経済産業省のホームページより引用)

 非鉄金属製錬業のリサイクル技術・廃棄物処理技術を、事業として実施しているもの、国のプロジェクト等で研究開発に取り組んだもの或いは現在研究開発中のものについてとりまとめた。
 これらの処理技術は、各社のホームページ、学会誌、公的機関の公開情報から抽出した。
 次に示すNo.1~No.14 までは事業として実施しており、(1)企業名、工場・事業所名、(2)処理対象物をデータシートにまとめた。

No.1 小名浜製錬の反射炉によるシュレッダーダスト処理
No.2 小坂製錬の流動床炉によるシュレッダーダスト処理
No.3 東邦亜鉛小名浜の電熱炉による製鋼ダスト処理
No.4 三池製錬のMF炉による製鋼ダスト処理
No.5 細倉製錬の鉛バッテリー処理
No.6 神岡鉱業鉛リサイクル工場の鉛バッテリー処理
No.7 野村興産イトムカの水銀含有廃棄物処理
No.8 中外鉱業の貴金属含有物処理
No.9 日本ピージーエムの廃触媒処理
No.10 日鉱環境の廃棄物処理
No.11 苫小牧ケミカルの廃棄物処理
No.12 日鉱三日市リサイクルのガス化溶融炉による廃棄物処理
No.13 日鉱敦賀リサイクルの廃棄物処理
No.14 光和精鉱戸畑製造所の廃棄物処理

 下記のNo.20~No.31 は国のプロジェクト等で研究開発に取り組んだもの或いは現在研究開発中のもの (筆者註:No.15からNo.19迄が抜けている理由は不明です)
No.20 エネルギー使用合理化鉱山等利用技術開発
No.21 非鉄金属系素材リサイクル促進技術研究開発
No.22 産業汚泥に含まれる有価金属資源化技術の開発
No.23 省エネルギー型金属ダスト回生技術の開発
No.24 エネルギー使用合理化技術開発(飛灰無害化技術開発)
No.25 廃家電の非鉄金属等複合部材及びプラスチックのマテリアルリサイクル技 
    術、断熱材ウレタンのサーマルリサイクル技術の開発
No.26 廃家電、廃自動車の非鉄金属回収に伴う燃焼排ガス中のハロゲン最適処
    理技術の開発
No.27 廃家電の非鉄金属回収に伴う高温・低温焼却技術、燃焼排ガスの湿式処 
    技術の開発
No.28 廃家電(廃プリント配線基板主体)の非鉄金属回収技術及び高効率前処理 
    技術の開発
No.29 非鉄金属の同時分離・マテリアルリサイクル技術開発
No.30 電炉技術を用いた鉄及びプラスチックの複合リサイクル技術開発
No.31 エネルギー使用合理化製錬/リサイクルハイブリッドシステムの開発
                             (筆者は山元還元の国内外の実施例を調査中、求む情報)


「山元還元」のご説明と筆者の願い:
 「山元還元」とは、廃棄物を処理する溶融炉などの集塵機で回収された飛灰に、2~12%含まれている鉛、カドミウム、亜鉛、銅などの非鉄金属を精錬して回収すること。
 通常、一般廃棄物はリサイクル品、瓦礫類などを除いて溶融処理され、路盤材などに活用される。
 近来、その工程で発生する飛灰だけが埋立て処分されていたが、これも有効活用する技術が開発され、ゼロエミッションシステムが完成した。
 産業廃棄物は可燃成分が少なくて、溶融処理の燃料費が高くつくことなど、採算優先で埋立て処分されてきた。
 納入単価が高い「特別管理型」の医療廃棄物などを手始めに、溶融処理を採用する先進的な民間企業が出てきた。
 筆者は、エネルギー効率が極めて悪い発電までやれるほど(又はやれなくても)、可燃成分が多い一般廃棄物と産業廃棄物との総合的な管理システムを構築して、鹿児島県、日本全体のゼロエミッションシステムを構築することを提案している。



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2014年9月20日土曜日

池田ジャカランダ J.puberula の秋咲き

 
 J.puberula の秋咲きです。2012年1月に播種して、37本育っている中の1本に一房開花しました。樹高約1.8m。春に、他の1本が数房開花しました。写真は花に光があたり、一部反射しています。
  春咲きの様子は下記URLを参照:
 

 
 
 
 雌しべが2本、雄蕊が4本、雄蕊になりかけ?1本(下部中央手前)と思いました。
 ところが、違うのだそうです。有隅先生のコメントです:
雌蕊が2本と仰っていますが、仮雄蕊が2本です(橋本梧郎先生が、この言葉を使っておられます。もっと適切な学術用語があるのでは、と思っているのですが)。この「前田雌蕊」を、下の方に辿って行ったら、子房がありましたか? 
本当の雌蕊は、前田さんが「雄蕊になりかけ?1本(下部中央手前)」としておられるのが、雌蕊です。下に辿れば、子房があるはずです。 
ジャカランダの花を片っ端から分解して、花の構造を自分のものにして下さい。生物ですから、奇形は幾らでも(?)出て参ります。今回はその奇形でした。
 
 
 
9月23日追記:もう1本開花


 9月26日追記:もう1本開花、これで秋咲きは2本目


上記の花の位地、上部中央


収穫中のナマコキュウリ(2期作目)
 
 
 

2014年9月16日火曜日

ジャカランダ・クスピディフォリア(J.cuspidifolia)を播種

 
 
 ジャカランダ・クスピディフォリアの種子をカリフォルニアの種子通販店から入手して播種しました。花色のダークパープルが何とも魅力的です。注文から11日で到着、種子の代金は2ドルで送料は8ドルでした。15粒以上の約束で25粒ありました。種子の袋に耐寒性は零下5.6~零下6.7℃と書いてあります。
  稚樹開花で分枝も多そうなので、盆栽にもトライしてみようかと思っています。
 
 
種子通販店のモデル写真
 
 
 
 種子が入っていた袋
 
 
 
種子が入った封書に張り付けられた表書き・総額10ドルです。 
 
 
参考資料-1
   下の写真4枚と説明文は、ブログ「small garden ジャカランダについての考察(KENさんから)2008/07/19(Sat)」より引用  
 



<クスピディフォリア(J.cuspidifolia)における稚樹開花>

この「種」はアルゼンティンから、ボリビアとパラグアイを抜け、ブラジルに亘って分布します。初めて出会ったのは、ボリビアとの国境に近いサルタ州、Oran近くの自生地でした。樹高は810mで、ミモシより一回り小さいとされています。
 
播種後、1年弱で開花

9911月中旬(アルゼンティンの11月は日本の5月に相当)播種で翌年の10月末には開花を始めました。丸1年に満たぬ開花だったのです。その最小個体は、前年枝(茎)の長さが17cm、また実生35個体中で開花したのは25個体、実に71.4 %の開花株率で、ミモシ(最高で12.1%)とは雲泥の相違がありました。

ただ播種が遅れ、生育が進んでいないと開花はやはり無理です。上とは5旬遅れて20001月上旬に播種したものもあったのですが、同年10月からの開花株率は0%でした。しかしその多くが花芽分化だけはしていました。つまり樹体が小さく力がなかったので、幼い花芽(幼花穂)を発達・開花させるだけの余力がなかったのです。その最小個体は、新旧合わせた総茎長が僅か14 cmというサイズでした。クスピはこの小さいサイズで、花芽分化が可能なのです。

いずれにしてもクスピは、播種1年内外で茎長が2030 cmに達していると、その大多数が開花するようになります。並みのミモシでは開花まで10年といわれていますが、あの強力な伸長力を持つミモシの10年間がどんなものか……   皆さんの背丈を遥かに超えた、どでかいサイズになっているはずです。それがクスピでは2030cmもあったらすむのです。大変な違いではありませんか。
 
   
その発育の経過を見ると、発芽した当初は、当然ながら1本立ちとなります。しかし翌春は、頂端から基部まで多くの腋芽がいっせいに伸びだして分枝し、中には双葉(子葉)の腋芽からの新梢に花穂が分化した個体もありました。上の写真は、旧葉(前年葉)が数枚残っていますが(古い茎は黄色っぽい色の部分です)、茎頂部より短い有葉の担花枝が何本も出て(族生して)開花し、下位からも新梢が何本も伸び出しています。前回のミモシフォリアの開花の姿と、ずいぶん違った姿にご注目ください。


このように本種は頂芽優勢性が脆弱でよく分枝し、花芽もできやすいのですが、幼苗時は力がないのでこれらの花穂、特に下位の新梢の花穂は発育途上で退化し、開花に至らないのが大半でした。また双葉の腋芽から萌出した新梢に花芽分化した個体が見られたことは、本種が木本でありながら、草本植物並みの(草花と同等の)稀有な性質を併せ持つことを示していました。
生長すると810mにも達する樹木からは、これは想像もつかない現象でした。

ただ残念ながら本種の耐寒性は、ミモシより遥かに劣るように観察されました。INTAの研究者たちはその後、ミモシ×クスピの種間雑種の獲得に成功していますが、さて、ミモシの血が入って耐寒性がどこまで改善されたでしょうか……  この耐寒性の解決こそが、本種の将来を決める最大の問題点のように私には思えます。



なお、その後再訪した自生地は皆伐が行われていました。その伐採地の切り株からクスピは、上の写真のように強力な伸長をしていました。草花としての性質を持ちながらも、ここではやはり樹木としての本性が露呈されていました。

参考資料-2


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池田さん
このジャカランダはJacaranda mimosifolia JMでしょうか。橋本梧郎先生の本では花期が10月~12月とあります。
写真を見ると花期が8月~9月のJacaranda cuspidifolia JC或いはJacaranda brasilianaJBなのではと推測いたします。
私の経験から、花弁と子房が、がくから切り離されて落ちるとJM 花弁と子房にがくと花柄(たく)がついたままドサッと落ちるとJC 或いはJB?
観察されたら浅学の私にご教授下さい。
松村


参考資料-3
松村さん 池田さん
           有隅です
 
横からお邪魔を致します。松村さんの「JM vs JC/JB」の見分け方、流石に現地で、現物を精査しながら、その違いを喝破しておられるのに、感服しています。
さて、クリチーバで今回のジャカランダがどんな実態なのか、興味津々です。池田さんには、よろしくご検討のほどお願い致します。
 
日本では花の咲いたJ.cuspidifoliaやJ.brasilianaを身近に観察する機会が全くありませんので、JMとの違いを確言できませんが、橋本梧郎先生のジャカランダに関する検索表では、「JM vs JC/JB」の違い(見分け方)が、萼(ガク)の長さと形にあることになっています。具体的には;
(1)ガクの頂端に切れこみがあって(分裂していて)、ガク全体が長いもの
  ・長さが4~5mmと長いもの……JC
(  ・長さが1.5~2mmとやや短いもの……JB
これに対して (2)ガクには切れこみがなく、長さも1mmと短い……JM
 
以上がJC、JB、JMの3つを分ける分類学上の指標になっています。現物に当ってご覧になり、はたしてどれが該当するかお調べを願います。ただ実際に仕分けをしようとする場合、何れともつかぬ中間型があったりで、釈然としないことが間々ありますが…… その時は「A」と「B」の中間型とでもしていただければ、結構です。
どんな結論になりますか、興味深いです。



参考資料-4
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池田さん 松村さん
           有隅です
 
先日来、ジャカランダのガクの形態で、J.mimosifoliaに対してJ.cuspidifoliaとJ.brasilianaの2つはガクが大きく、かつ切れ込みがあって列片になっているとの、橋本先生の検索表を紹介しましたが、INに丁度手頃の写真がありましたので、添付してみました。
 
J.cuspidifoliaの花穂の接写です。花筒(花蕾も)の基部をご覧になったら、切れ込みのあるガクの列片がご覧になれます。今回採種をされています原木の実態と比べてみて下さい。宜しくお願いします。
 

 

 

2014年9月11日木曜日

鹿児島県産廃最終処分場を霧島市国分川内地区に設置する計画への反対運動の記録


1. 2003年10月3日:国分市議会が、国分商工会議所が提出した 「国分市への公共関与の産業廃棄物管理型最終処分場誘致陳情書」を20対3で採択。
2. 2004年2月13日:「産廃最終処分場を勉強する会」(5名)を設立と同時に「低地立地方式」を骨子とする「産業廃棄物管理型最終処分場の建設用地選定に関する建白書」を鶴丸国分市長に提出し、その写しを須賀鹿児島県知事、県議会議長、県議会関係議員、国分市議会全議員、市内全公民館長、川内地区全戸(197戸)に送配布。
3. 2005年1月31日:鶴丸市長が「川内地区が候補地」と報道陣に突然発表。
4. 2005年2月:国分市で「産廃処分場反対市民の会」(15名)が立ち上がる。
5. 2005年2月・3月・10月:「しののめ新聞」1号・2号・3号を発行、国分市約23,000戸(市民数約5万5千人)に3回に亘り配布。川内地区の有志及び芦原の「よかにせ会」が大活躍。このころ、川内地区全体の勉強会や大学教授の講演会、連日の街宣車による街宣活動等を実施。
6. 2005年2月28日:鶴丸市長、市議会議長に反対署名簿1,574人分を提出。このころ、川内公民館、水利組合、用水組合、漁業組合、地下水利用者などが鶴丸市長と市議会に反対陳情書提出。 
7. 2005年3月8日:市議会傍聴のあと、議会開催中の国分市役所周りをデモ行進(約60人)。
8. 2005年4月1日:川内地区自治公民館館長交代。同時に「産廃対策委員会」を設置。
9. 2005年6月14日:鶴丸市長、市議会議長に反対陳情の署名簿12,557人分提出。川内地区自治公民館197戸で約70チームを編成し、4月11日~5月22日の42日間で、国分市約23,000戸全てを1~3回訪問させて頂いた。国分市全域を420地区に分割してローラー作戦を展開した。
10. 2005年11月27日:一市六町の合併で誕生した霧島市の初代市長選挙で、川内地区候補地反対を公約した前田終止氏が鶴丸元国分市長を破り当選。
11. 2006年1月10日:前田霧島市長が「川内地区候補地白紙撤回」を表明。
12. 2008年5月8日:伊藤鹿児島県知事が薩摩川内市川永野地区を産廃最終処分場候補地と発表。同時に次の候補地は、串木野市羽島、蒲生町西浦、肝属町岸良で蒲生町西浦が最有力と発表。

後記:当事件は、鹿児島県や国分市の関係者の無知が原因で、「わずか197戸の小さな集落を突然襲った大きな人災」であった。私たちの運動は、鹿児島県に初めて設置される産廃管理型最終処分場のあるべき姿を県や市に提言することを主眼とし、危険性の高い国分川内地区への設置に単に反対するものではなかった。極めて不十分ではあるが、鹿児島県が抱えるこの大きな問題が少しは認識され前進した。近い将来、川内原発も寿命で廃炉となる。解体で発生する放射能を帯びた大量の産廃(年間0.01ミリシーベルト以下は普通の産廃として扱われる)はどこに最終処分されるのだろうか。環境対策は、経済優先の考えの元で制定された法律を守ればいいというものではない。鹿鹿児島県は2011年3月25日、薩摩川内市への最終処分場設置を許可した。湧水が多い山間部の岩場の処分場は、未来永劫浸水と有害成分の流出事故を防げるだろうか。 
                                                                         2011年3月31日
                  文責:霧島市国分川内地区自治公民館 産廃対策委員会 前田久紀          




  以下は、国分川内地区公民館の住民運動初期に開催した臨時総会の決議文です。住民運動への反対者が全く出ず、197戸が団結して強烈な運動を展開しました。


   川内字牛堀地区を候補地とした産業廃棄物最終
   処分場 適地選定および設置に反対する決議


 平成17年1月21日、国分市産業廃棄物最終処分場適地選考委員会は、候補地五か所を発表した。川内字牛堀地区がその一つである。
    当該地は、当川内地区内の上流の山間部に位置し、昔、東雲(しののめ)の坂と呼ばれ、なだらかな丘がいくつか重なり、三本松と呼ばれた頂上では、毎年小学校の春の遠足が行われ、集落の人たちが、わらびやタラの芽を採り、又、秋には栗拾いにと出かけた場所である。現在は、市有地となり、無残に切り崩され、昔日の面影はない。市は子供たちの夢を取り戻すべく、元の自然へ返すことこそが、そのもっとも大切な役目である。
    近くには、水源が二か所もあり、さらに下流には豊かな水田地帯が広がっている。又、当該地区は多量の浸出水があるうえに、崩落しやすい地盤である。平成5年の八・六水害では、大きな崩落が発生している。
このような場所へ、産業廃棄物処分場を設置すれば、水源汚染は言うに及ばず、地下水汚染などによる農地、川や海(鹿児島湾)の汚染による漁業、住民の生活環境保全へ、極めて重大な影響が懸念される。この環境破壊と地域住民の健康生命への重大な影響を永久的に及ぼすことが予測される。
    よって、川内地区公民館は、本日臨時総会を開き、自然豊かな田園村落地であるこの川内地区を守り、末代まで遺すために、ここに全員一致で「川内字牛堀地区を候補地とした産業廃棄物最終処分場適地選定及び設置」に強く反対し、反対活動を強化していくことを決議する。
平成17年1月30日    
                                                     国分市川内地区公民館住民一同





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薩摩川内市の管理型産廃最終処分場計画の問題点と提言


 1.はじめに
  鹿児島県には公共関与の産業廃棄物管理型最終処分場が一ヶ所もなく、現在、薩摩川内市への設置が推進されています。川内原子力発電所の原子炉が廃炉になったあと、放射能を帯びた解体廃棄物の管理型産業廃棄物はどこにいくのでしょうか。
   長い間、日本で公共関与の産業廃棄物管理型最終処分場がない県は山梨県、高知県、栃木県、和歌山県、鳥取県、鹿児島県でした。山梨県は約15年に亘る反対運動を押し切って2009年5月、初の処分場が旧明野村で稼働開始しました。操業開始して数か月で厚さ1.5mmの遮水シートTPO:サーモプラスティックポリオレフィン製)接合部が50か所以上はがれました。2010年10月2日に漏水検知システムが作動したため、埋立て物を約5m掘り起こして調査したところ、原因は、施工時に重機の圧力がかかり、遮水シートが破損していたことでした。水質汚染の兆候があるようです。現在まで約1年稼働を停止したままです。すでに2年間で50億円近い赤字が発生し、増大しつつあります。処分場への持込み量が少ないので、受け入れ単価を約3万円/トンから約2万円/トンに引き下げてなんとか事業を続けようとしていますが、赤字増大を防ぐために早く処分場を廃止すべきとの意見もあります。明野処分場建設に伴って2003年と2004年に県が実施したアンケート調査で、処分場が必要と回答したのは県内排出業者869社中わずか10社のみの1.1%だったのです。鹿児島県は何パーセントなのでしょうか。
    鈴木嘉彦山梨大学工学部長を委員長とする旧明野村の検討委員会では「立地とシステムは危険だ」との結論で、村長もこれを尊重して立地に反対していました。市町村合併で旧明野村が北杜市となり、県は方針を押し通したのです。旧明野村民は泣くに泣けないことでしょう。山梨県知事は次期最終処分場(境川)では、産業廃棄物を受入れない方針を発表しました。痛い目にあってたどり着いた結論です。廃棄物処理法第3条で、産業廃棄物の処理責任は事業者にあります。企業誘致のために多額の赤字を出す処分場を税金を使って提供する必要はないという考え方です。ましてや、近年「山元還元方式」の採用などで、埋め立て廃棄物ゼロのシステムが開発され、実用化されつつあります。 
    高知県では2011年10月1日に初の処分場が稼働を開始しました。処分場の側壁は高さ約10mの現場施工の鉄筋コンクリートで、厚さが上部500mm下部2,200mmの台形で、クローズド式の最新型です。
    鹿児島県は、絶対に第二の山梨県になってはいけませんが、現在の計画ではそうなりそうです。専門家による検討委員会の設置もないまま、事が進められました。県の「専門委員会」は指導要綱に基づいて設置されたもので、機能(任務と能力)が山梨県の検討委員会とは全く異質のものです。法的には、廃棄物処分場に関する県の計画は設置予定地域の住民や、関係市町村の意見を聞くだけで(又は聞かなくても)方針どおり進めることができます。それらがいくら反対しても、協定締結を拒否してもごり押しができるように決められています。指導要綱すら法的には守る義務はありません。
   2011年10月14日、鹿児島県の処分場計画に反対する地域住民の三団体が合同で県環境整備公社を相手取って鹿児島地裁に計画挿し止めを求めて仮処分を申請しました。裁判官は「厚さ1.5mmの遮水シートを許し、多数の事故を惹起してきた悪法」に照らして判決をくだす可能性があります。悲劇の回避は県議会の動きや伊藤県知事の判断力と良心にかかります。山梨県と同様に、無謀な計画をごり押しすれば大きな失敗を繰り返すことになります。
    国内に最終処分された管理型産業廃棄物は少なくとも約10億トンにのぼります。最終処分場の有害成分の漏えいや悪臭発生が公害を惹起し、継続的に2,000件程度(筆者推定)の訴訟事件になっています。
    法律で定められた厚さ1.5mm以上の遮水シートの劣化や破損で有害物質が流出して水質汚染などを引き起こしています。遮水シートが一重ではダメなので、1998年に二重以上にするよう法律が改定されました。それでも問題が多発するため、鹿児島県では厚さ500~1,700mmの鉄筋コンクリートの枡方式を採用した自治体(姶良郡西部衛生処理組合:下の2枚の写真)や、産廃分野では上述の高知県など国内トップレベルの優れたシステムを導入した例が出てきました。
    幸い、鹿児島県は今まで廃棄物による汚染とはほとんど無縁の生活環境と美しい自然を維持してきました。私たちは子々孫々に迷惑をかけるような過ちを決して犯してはなりません。
   尚、産業廃棄物及びその最終処分場について関心をお持ちの方は、下記のスライドをご覧ください。 筆者が作成し、2008年2月に鹿児島大学理学部における「地球環境エネルギー論」の一環として講義に使用した資料です。 (51ページあります。スライドショーでご覧ください、印刷も可能です) 

  「産業廃棄物管理」   (左をクリックしてください)

      http://gallery.nikon-image.com/128080328/albums/1095222/photos/




      下の youtube でもご覧頂けますが、画像がやや劣ります。

 
     

 


          最新型の管理型廃棄物最終処分場(鹿児島県姶良市)
 
 

2.現計画の問題点 
下図は鹿児島県が公表した、薩摩川内市に建設予定の処分場の構造概略図です。                                (クリックで拡大

下記「鹿児島県公共関与の産廃処分場基本計画」より転載:http://www.pref.kagoshima.jp/__filemst__/49999/kihonnkeikaku.pdf

      設備概要:
    埋立容量 : 60 万㎥ 程度
    埋立面積 : 36,800 ㎡(甲子園球場全体とほぼ同じ面積・全面屋根付き)
    埋立て層厚:最大約30m
    供用年数:15年

①冠嶽の中腹に位置する処分場建設予定地の地盤は水を通しやすい柱状節理の溶岩で、湧水が多い。窪地の上部直近に大きな湧水か所があり、窪地内の湧水は2か所以上、浸出か所は無数確認されている。排水層(砕石、面状排水材)で湧水や浸出水を抜く構造になっているが、経年で目詰まりが発生し、充分に機能しなくなると考えられる。目詰まりしない濾過層は存在しない。湧水や浸出水の圧力等で側壁や底部の遮水シートがが破損すると浸水する。当然この水の一部は浸出水として回収、処理されるが逆に破損部分から漏れ出た有害成分を含んだ水は土地を汚し、河川に注ぐ。
    遮水シートが水圧で破損する原理を簡単に説明する。埋立て物の層厚が30mとなり、側壁の排水層が目詰まりをおこし、側壁にそって30mの水柱構造ができたとする。側壁の底部には約3Kg/㎠の水圧がかかる。この圧力は乗用車のタイヤの空気圧よりはるかに高い。仮にタイヤが1.5mmのビニールシートでできていたとすると、簡単に破裂することが想像できよう。
   窪地内(廃棄物処分予定部分)の湧水や地下水は排水管で集水して地下水ピットを経由して放流するとしているが、直接地下に浸透して流下し、全量を集水することはできない。又、水質に問題があれば浸出水処理設備で処理する計画とするなど、当初から浸出水の漏れを想定している。遮水シートから一滴も漏れてはならないのだが、例えば厚さ1.5mmのビニールシートは有害成分を含んだ浸出水を透水係数1×10⁻12cm/秒程度の速度で下部の地盤に通す。
②厚さ200mmのコンクリートを打つ構造(少なくとも底部は)だが、内容物の保護の役割は長期的には期待できない。広い面積の岩盤は時間経過と共に変形したり不等沈下するため、直結した薄いコンクリート構造体はシール構造と共に追従できず破損するだろう。紫尾山、金峰山は14年で1cmの割合で隆起している。ここも同様だろう。
    エラス(伸縮吸収材)を入れると強度や長期間の気密性に問題が発生する。厚さ300mmの砕石の排水層に張り付けられた、薄いコンクリート壁が地震で剥げ落ちることは容易に予測できる。「法律に基づいた施工基準を守っている」との声がすぐ聞こえてきそうだ。国内1級の「出水活断層」や、2Km離れた所に「確実度Ⅱ」の活断層がある。活断層の存在は法的に処分場の立地を制約する事項だがこれも大丈夫と判断された。地質の専門家は危険性を指摘している。東西176m、南北327m、深さ30mの極めて脆弱な容器がどの程度の地震まで耐えうるだろうか。震度3だろうか、震度5だろうか。
    「透水しない強固な岩盤の窪地だから遮水が容易で建設費が安くて安全だろう」との大きな勘違いが本計画の基本にあるのではないか。大量に漏れなければいいのではなく、一滴も漏れてはいけないのである。全く逆に、危険で設備投資も高くなる場所である。仮に、厚さ1,500mm程度の鉄筋コンクリート枡方式を採用するとしても、側面からの湧水や浸出水がある、不定形な当地では平地に設置する場合に比べて設備投資が高額となろう。最新型の処分場を、当地に建設することは、安全性、経済性の観点から極めて不合理である。
    国内にすでに数十か所設置され、稼働している最新の管理型処分場は地震や地盤の変形、浸水の影響を受けにくい、500~2,000mm程度の厚さの鉄筋コンクリート枡構造で、より安全な場所に設置されている(参考資料-1参照)。
ただ、残念ながら永久に安全な廃棄物最終処分場のシステムや場所はない。
       参考資料-1:「絵で見るクローズドシステム処分場」・クローズドシステム処分場開発研究会編・環境新聞社刊
③厚さ1.5mmの遮水シート(ビニールシートの場合)の寿命は75年(県担当者回答)と推測されている。50年と推測するメーカーもある。劣化したら機能しない。
75年間は面積36,800㎡(甲子園球場とほぼ同じ)の処分場に張られた厚さ1.5mmの遮水シートに地域住民の安全確保や環境保護が賭かり、劣化した後は自然放置状態となる。現在の法律はこれを許している。処分場を閉鎖(受け入れ停止)後、浸出水の水質やガス発生などが、2年間一定の基準をクリアーすれば処分場は「廃止」になり、「自然」に戻るか跡地利用される。
    埋め立て途中又は埋め立て後に遮水シートが破損したらどのように対処するのか。現在、その方法がなく対処できずに垂れ流しになり、大きな問題を惹起している処分場が国内に多数ある。埋立層厚は30m程度とのことだが、これを掘り起こして遮水シートを補修することができるだろうか。
    自己修復材として高分子吸収材又はGCL(ジオシンセティッククレイライナー)を使うとのことであるが、これらを含めて、現在国内で自己修復材として使われているものは単なる充填剤であり、充分な遮水効果は期待できない。名前のとおり、高分子や粘土系物質が主成分の膨張材である。
④伊藤県知事は2009年4月20日の定例記者会見で「ただ、柱状節理といって、岩盤は一枚岩ではないですから、必ず間に若干の亀裂が入りますが、それでもほとんど透水性の低い地域だろうと思います。また、この産廃施設の透水性の問題というのは、岩盤で保障するのではなくて、その上に貼る5層の膜でもって防水性を完璧に保障するのです。ですから、直接岩盤に入れ込むのではなくて、その上に5層の膜を貼って、きちんとやるわけですから。それは日本全国、900ヵ所の廃棄物施設全部そうです。」と発言した。岩盤が透水することを認めたうえで、遮水シートは皆が使っているから安全だとの発言である(発言は参考資料-2参照)。すでに国内で数十例稼動している最新式の処分場がどのようなものか、又、遮水シートは仮に健全であっても、上述のように有害成分を含んだ水を通すことを全くご存知ない。県にとって極めて重要な事業でありながら、実態調査などによる現状把握すらできていない。伊藤県知事や県関係者の大きな怠慢が指摘される。
    「5層の膜」は何を指すのか不明であるが、ある程度遮水効果があるのは遮水シートだけである。厚さ1.5mmの遮水シートではダメだから分厚い鉄筋コンクリート製に移行したのだ。旧来、最も有害成分が多い特別管理型廃棄物は厚さ30cm以上の鉄筋コンクリート枡(遮断型という)で管理するよう定められているが、近年、管理型廃棄物の分野でもこれを上回る処分場の機能が確保されつつある。 
    最新鋭設備の多くは地方自治体が管轄する一般廃棄物の管理型処分場であるが高知県は産廃の分野で採用した。これらは経済、産業最優先の古い法律を遵守するだけの施設では市民の安全が守れないので、設備投資は高額になるが、より安全なシステムを開発し導入した。自分たちの安全と自然環境を守るためにだ。多くの公害事件を惹起してきた、厚さ1.5mmの遮水シートに頼る極めて危険な従来型の施設での対処が産業廃棄物だけに許される根拠はない。
   すでに国内で数十か所に最新鋭設備が建設され、稼働している。是非、これらを参考にすべきである。立地、構造の観点から県の計画が時代遅れで、いかに危険かを認識すべきだ。
参考資料-2:http://www.pref.kagoshima.jp/chiji/kaiken/h21/kaiken090420.html#8
⑤産廃の流通分野は真の経済原理が働く世界である。「マニフェストを守らせればこうなるはずだ」などという、お役人の机上の計算は全く通用しない世界だ。民間の管理型処分場の受け入れ単価には「表単価」と「裏単価」があり、お役人が耳にするのは表単価であり、裏単価はそのほぼ半額との話がある。業界の市場調査、アンケートによる意向調査などを実施して実態を把握すべきだ。これも、お役人がやったのでは真の姿は把握できないことを認識した上でだ。その上で、実態に即した採算性を明確にすべきである。山梨県はこの面でも失敗している。

.提言
①「低地の平地」に処分場の立地を変更し、最新型のコンクリート枡方式を採用すべきである。現在の計画は大きな事故を起こす可能性が極めて高い。事故を起こして大きな被害を発生させたり、その対策に巨費を費やしてはならない。このことは筆者が2004年2月以来、県知事はじめ県関係者に文書等で具体的に提案している。山梨県や高知県等、直近の失敗例や最新システムに学ぶべきである。
②設備規模は埋め立て容量が60万㎥程度とのことであるが、県初の設備でもあり、高知県などを見習って最初のセルは10~20万㎥クラスに縮小すべきである。
その理由:  
    1)山元還元など新技術が開発されたり、各種減量化の努力で産廃の発生量
は着実に減少傾向にある。
    2)現行法の規定で、中間覆土は埋立て物の層の厚さ2m以下で0.5m以上と
なっている。これは、旧来の雨ざらしのオープン方式を前提として規定され
たものだ。クローズド方式では見直されるべき事項で、規定を改正すべきだ。
このような改正すべき不合理が設備条件にもあり、これらの修正で有効
容量の増大が期待できる。
   3)失敗のリスクの軽減。(これが最大の理由である)。
現在の計画は単に現地の地形に合わせて容量を決めたと考えられる。当初から50万㎥程度を考えていたはずで、諸般の要因を考えると、これを下回ることはあっても上回ることは考えられない。
③将来、鹿児島県は埋め立て廃棄物ゼロを目指すべきである。すでに県内の数か所の自治体が山元還元方式を採用するなど、大変な努力をしてこの理想的なシステムを実現しつつある。
    又、県内の民間会社でも溶融炉を導入するなど、埋立て廃棄物ゼロを指向している。県はこれら先進の自治体、民間企業の実態を把握した上で、将来計画を策定すべきである。
   この指針については、2007年5月に伊藤県知事以下県関係者に文書等で提言している。

.後記
    稼働中の処分場の排水の水質は基準値で管理され、有害成分は基準値以下の濃度で流出して川に入り、海に注ぎ続けている。国内に埋め立てられた約10億トンの産業廃棄物は、いずれ自然放置状態になる。処分場が「廃止」になったあとは法律上誰にも管理する義務はなく、地域住民が監視することになる。日本が廃棄物による公害列島にならないよう頑張り続けることが大切である。
    処分場に埋立てられた廃棄物は経年で「安定化」して有害成分が出なくなるという話がある。ダイオキシンや水銀などは変化しない。処分場内部に水道(みずみち)ができることによる有害成分の流出速度の急速な低下、放射能の時間減衰、動物の死体などの有機物の腐敗や発酵、一部金属類の酸化などの現象は理解できる。これらを安定化と呼んでいるのだろうか。多くの学者がいわゆる「埋立て物の安定化」などはあり得ないと明言しているし、論を待たない。 
    当建設予定地は、徐福伝説で有名な 霊山冠嶽の中腹に位置し、鎮国寺のすぐ近くにある。徐福はもとより、不老長寿の薬草を求めて徐福をここに遣わした秦の始皇帝はなんと言うだろうか。
 冠嶽の麓には「冠嶽温泉」もある。この温泉こそ冠嶽に降った雨水が柱状節理から地下深く浸透し、各種成分を溶かし込んだ熱水となったものだろう。温泉脈があるのは、多くの薬草をはじめ、珍しくて不思議な植物が多数生育していることと無関係ではなかろう。 地域住民の皆様の安全と自然環境はもとより、霊山冠嶽を守るべきだ。鹿児島県初の管理型産廃処分場の建設から、大きな失敗を犯してはならない。
 計画推進者に祟りがないことを祈ると同時に、早く誤りに気づき、計画が撤回されることを願う。まだ遅くはない。 
   鹿児島県は過去に公共関与の管理型最終処分場の建設予定地として、旧喜入町、旧鹿屋市、旧国分市上の段、旧国分市川内を発表したが、これらのすべてが山間部で予定地区や下流域の住民の強烈な反対運動で計画が頓挫した。今回の薩摩川内市の計画は、クローズド式で浸出水を放流しないという点が改善されたが、最重要な「安全」を保障するには悪い要因が多すぎる。過去の頓挫の反省がない。国内で最後の県であり、少なくとも最新鋭のシステムでなければならない。
    攻めることより引き返すことに、より大きな勇気が必要だが、県は蛮勇を振るって引き返すべきだ。国は原発ですら引き返すと言っている。今からでも決して遅くはない
    事業は理に適い、法に適い、情に敵わねばならない。現計画で適っているのは、経済、産業最優先で制定された時代遅れの法律のみである。 少なくとも、大方の県民が賛同するような計画でなければならない。

付録・戦略策定について:
 2006年から2年間を費やした当事業計画の検討体制と検討手法が適正であったか疑問を持たざるを得ない。県の関係者が専門分野の意見を聞きながら自分たちで一生懸命考え、議論しても最適な計画が策定できるとは限らない。戦略を立てるにあたって過ちを犯しにくい、科学的な検討手法がある。
 例えばKT法(ケプナー・トリゴー法)をその一つとしてご紹介する。この手法を使えば「どのような体制」で検討するのかから始まり、「どのようなシステム」を「どこに」「いつごろ」などといった基本的な戦略を大きく間違えることは避けられる。
    KT法: http://ai.skr.jp/acton/k-info/mark1/mark1-13.htm
 是非「今後の対処法はいかにあるべきか」をテーマに、KT法に限らず、科学的な検討手法を用いて戦略を立ててほしい。戦略策定の専門家は多数おられる。
 著者がなぜ「検討体制と検討手法が適正であったか」疑問を持ったのは、伊藤県知事が極めて不適当な場所と古いシステムについて「最適の場所で最新鋭の設備だ」と発言されたからだ。「最適な場所と最新鋭の設備はどうあるべきか」、科学的な戦略策定手法を使えば別の答えが出たはずだ。                       
                                                                               以上
                                  (2011年10月10日記・10月17日改訂)



2014年9月10日水曜日

パラナ松とイペーの様子

 9月10日の様子です。畑はこの夏で急にブラジルのジャングルの様相を呈してきました。ポルトアレグレの和田さんからのものを主体に記録します。(写真は全てクリックで拡大可
 
 
ジャングル全景
 
 
パラナ松・その1(2010年5月播種)
左側が不調なので植え替える予定。右側は快調。立てた棒が1m。
右端は和田さんお気に入りジャカランダ多数。
 
 
パラナ松・その2(2010年7月播種)
快調、立てた棒が1m。右端の成長が速い。
 
 
3.5mのイペー・アマレーロと左端の2本はイペー・ロッショ。


3mの風車小屋ロッショとそのすぐ下(80cm)は同級生のウンベラッタ。
ウンベラッタは成長が極めて遅い。中央の1本は池田タベブイア・アルバ。


 
四季咲きイペーアマレーロ、成長が遅い。耐寒性が問題だと思っている。
左端は池田ナマコキュウリの2期作目、右端はナタマメ(ジャックと豆の木)
30本が4mに伸びて天を衝いている。