現場の案内板に「近藤信男」様のお名前があり、10年前にイペー植栽に関してご指導を頂いたことを懐かしく思い出しました。
イペーの様子
2006年に門川町の「花と緑のまちずくり事業」の一環として、1,500本が植えられ、その後追加されて2,000本になった時期があったと思われます。現在はかなりの本数が枯れ死して減少していますが、枯れ死は進行しています。
気候は極めて温暖ですが、2012年には冬季の寒害で花が全く咲かず、2017年はびっちりと開花したが、2018年は明らかに開花状況が違うとの記録があります。
過去10年間の延岡観測所の最低気温を、イペー植栽関係各地の観測所のデータと比較して示します。極めて温暖です。
ブラジルのカサドール市やサンジョアキン市にも多種多数のイペーが生育しており、前田はこの2ヶ所を含む約100種類の樹種を地植えで試験栽培完了又はその途中です。拙宅では低温を経験しにくいので、北海道、宮城県、群馬県、茨城県にも試験栽培を依頼しています。
イペー全体に樹勢がなく、枯れ死が進行しているように見受けられます。同行した友人曰く「イペー愛好家として、このような状態を見るのは忍びない・・・」。
気づいたこと:
①北東向きの斜面に植えられており、夏場でも陽が当たりにくい。
②盆地状の窪地に植えられており、中央部分に排水が集中する。イペーは過湿を大変嫌い、根腐れを起こして枯れていく。
③耐寒性がかなり弱い樹種が植えられており、開花しないか開花状態がよくない年がある。零下5℃程度で開花しないようでは、温暖な宮崎県でも植栽場所が極めて限定される。
④密植しすぎ。夏場でも午後は地面に陽が当たらないと思われる。
⑤樹高約10mのイペーに蔓が絡まっているものが数本あったり、台風で倒れたと思われる樹高7~8mの木が1本放置されていた。手入れが悪い。責任をもって「この森を守るのだ」という方がおられないのだ。「心の杜」が泣いている。宣伝だけが先行している。
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