自己紹介

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霧島市, 鹿児島県, Japan
造園施工管理技士、土木施工管理技士、公害防止管理者(大気、水質各1種、 騒音、振動)

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2016年11月10日木曜日

イペー Nossa Senhora da Luzに着蕾

 クリチーバの Nossa Senhora da Luz 産のイペーアマレーロ(2015年12月4日に播種)が7本育っていますが、成長が遅くチビの1本を除いて6本(樹高1m前後)に着蕾しました。播種後1年弱で数本が2段着蕾していますので、成木になれば3段以上の着蕾が期待できそうです。問題は耐寒性です。池田さんのコメントに、小木、大輪のポンポン花、葉裏緑とあります。
 わずか7本の中に、葉性が明らかに異なるものが3種類出てきました。3枚目の写真の「その1」(1本:1.2m)、「その2」(1本:50cm)、「その3」(5本:0.4~1.3m)で、3種類とも着蕾しています。 
 


  以下の3枚の写真で Nossa Senhora da Luz の親木の半年おきの姿が確認できます。  
 (2016年9月21日池田さん撮影) 
 南側から(2016年3月撮影):google earth


   北側から(2015年11月撮影):google earth
  Nossa Senhora da Luz とは「光の聖母」(下の写真、Wikidediaより引用)という意味で、クリチーバ市の通りの名前になっています。素晴らしい名前の場所出身のイペーですので、なんとかモノにしたいです。



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2016年11月6日日曜日

植物の寒害や凍害の原理

   下記はインターネットで検索して出てきた「日本植物学会」の「みんなのひろば」という欄の記事です。少し長いですが転載します。
   植物の体内の水(零度を下回れば凍る)は凍っても、細胞(イオン、有機酸、糖やアミノ酸を含有)が凍らなければ凍害は起きないようです。
 細胞内の液体の成分が問題のようです。「不凍液の成分」(前田の表現)が多ければ細胞は凍らないのでしょう。細胞がいったん凍ったら、植物のその部分とそこに頼っていた部分は死んでしまうのでしょう。
 凍害には細胞の凍結で組織が枯れ死すること以外に、幹が凍裂することがあります。岐阜県朝日村の別荘で、明け方零下19℃で白樺の主幹が折れる音を聞いたことがあります。勿論翌朝その姿を確認しました。

記事:
   「氷点下になった時など植物内の水は凍結しないのか?」
質問者:   教員   SATY
登録番号1123   登録日:2006-12-04
 朝が寒くなり、水たまりに氷の薄い膜が張るようになりました。ここで、疑問に思ったのですが、植物内の水は凍らないのでしょうか?もちろん、凍らないと思いますが、凍らない仕組みはどのようになっているのでしょうか?
 低温ということで、細胞内にある様々な酵素の活性も低下すると思います。北海道などでは-15℃〜
-20℃になったりする中で、植物はどのような仕組みで生命活動を維持しているのか質問させていただきます。
 宜しくお願い致します。
SATYさん:

たいへんお待たせしました。植物の耐凍性に関するご質問の回答を、その分野を専門に研究をされている岩手大学の上村松生先生にお願いしたところ、次のような分かりやすい解説を頂きました。一見、ただただ、耐えているとしか見えない植物でも、なかなか巧妙な仕組みを持って、不利な環境と闘っていることが分かりますね。

[回答]
SATYさんの予想に反して、温帯以北に生息するほとんどの植物では体内に氷ができます。驚かれましたか? そのような植物は、体内の水分が凍っても生きられる仕組みを備えているのです。 今までの研究によると、「植物体内の氷ができる場所」が大きく影響すると考えられています。植物体内に氷ができても生存するための絶対条件は、「細胞の中に氷を作らない」ことです。細胞内に氷の結晶ができると、細胞内の様々な構造物(細胞膜、核、葉緑体、液胞など)が氷の鋭い結晶で傷つけられてしまい、細胞は例外なく死んでしまいます(細胞内凍結と言います)。しかし、植物細胞の中にはイオン、有機酸、糖やアミノ酸など様々な溶質が解けているため浸透濃度が高くなっており、氷点下になってもすぐには細胞内の水は凍結しません。
一方、細胞外(細胞壁部分や細胞と細胞の間)は水蒸気で満たされており、解けている溶質も少なく、さらには、氷の結晶を作るための核となる物質も多く存在します。従って、氷点下になると、多くの植物では最初に細胞外に氷ができます(細胞外凍結と言います)。いったん氷ができると、冷凍庫の製氷器で氷を作る時と同様に、氷のまわりの水や細胞内の凍結していない水は氷に引きつけられ、氷結晶は成長します。その結果、細胞内の溶質濃度はどんどん高まり、ますます凍結しにくい状態になります。さらに、細胞壁に接して存在する細胞膜が氷を通しにくい性質を持っているため、細胞外にできた氷は細胞内に侵入しない仕組みを持っていると考えられます。その状態が保たれると、ある程度の氷点下でも植物は生存できるのです。
氷点下の冬を野外で耐える植物の中には、氷が細胞外のあらゆるところにできるのではなく、特定の限られた場所にしかできないものも存在します。例えば、ツツジ科やバラ科では花芽の中には全く氷が形成されず、氷は芽鱗片(萼)内部や花芽の基部(皮層部)に形成され、そこへ花芽の中の水分がそっくり移動する現象が見られます。これは器官外凍結と呼ばれ、多くの種子を凍結した際にも観察されます。さらには、北方に生息する樹木(ブナ、カラマツ、リンゴなど)の幹にある木部柔細胞では、細胞のすぐそばに氷ができても細胞内の水は全く移動せず、しかもある温度まで細胞内が凍結しない現象が知られています。これを深過冷却と呼び、ササ等でも見られることがわかっています。このように、氷のできる場所は植物の種や器官・組織によって異なりますが、植物が氷点下でも生きるためには、体内に氷ができても細胞の中には氷を形成しない仕組みを持つことが必要不可欠なのです。
2番目の質問ですが、氷点下では多くの細胞内での代謝活動が低下します。例えば、呼吸や光合成などの活性は大きく低下することがわかっています。つまり、温度の低下と凍結による細胞内水分の減少により、最小限の代謝活動で生存が可能な状況になると考えられます。その詳細は今後の研究を待たなくてはなりませんが、ある意味で、動物に見られる「冬眠」と似ているのかもしれません。
逆に、低温になると多量に合成されるタンパク質が存在することも知られています。例えば、多くの植物では、凍結しない程度の低温に曝されると糖やアミノ酸などが増え、やがてやってくる氷点下の気温に備えることが知られています。この反応を司る酵素群のなかには、低温で増加するものも多く知られています。また、植物を低温に曝した時だけ発現する遺伝子も多く知られています。これらは低温誘導性遺伝子と呼ばれ、秋から冬にかけて植物が冬支度をする際に、凍結条件下でも生存できるようにするために必須のタンパク質を合成するものと考えられています。さらにおもしろいことに、植物体内に氷が形成され、細胞内の水分が乏しくなる厳しい条件でも働いている遺伝子があることも最近わかってきました。これらの低温や凍結条件下で特異的に働く遺伝子が持つ機能のほとんどは、まだ解明されていません。今後、これらの遺伝子の機能に関する研究が進むことによって、低温でもすくすく成長できる植物を育種する方法が見つかってくるかもしれません。

上村 松生(岩手大学農学部附属寒冷バイオシステム研究センター)

JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-12-21

2016年10月31日月曜日

常総市に前田宅のイペーの子孫を植えた場合の開花予測

 常総市でイペーの花を咲かせるプロジェクトを推進中である。
 常総市の気象観測所のデータが無いので、緯度がほぼ同じつくば市の最低気温の実績から、常総市に前田宅の庭のイペー(2000年に木市で苗を購入、多分Chrysotricha)の子孫を植えた場合の開花の可能性について考察した。
 下の表はつくば市の10年間の最低気温の記録である。前田宅の庭のイペーは2014年の零下5.3℃では蕾が健全で開花したが、2012年の零下7℃では全く開花しなかった(勿論当地域の他のイペー全部も開花せず)。昨冬の零下9.1℃では枝が50cm前後枯れ下がった。
 これらの実績をもとに、仮につくば市にその子孫を植えたと仮定した場合の開花の可能性について推測し、常総市でも同じだろうと考えた。
 つくば市の最低気温の実績と前田宅の庭のイペーの耐寒性の観察結果から推測すると、つくば市や常総市では、前田宅の庭のイペーの系統はほとんど開花しないと思われる。
  常総市より少し北に位置する下妻市(しもつまし)のデータも詳細に調べたが、つくば市とほぼ同じだったので、緯度がほぼ同じつくば市のデータを採用した。
 イペーが日本で育ち、慣れによって耐寒性が向上することはあまり期待できない。耐寒性は樹液の成分でほぼ決定づけられる(勿論、微視的には樹体の大きさなども影響する)が、この成分は短期間に外的な条件で変化しないと考える。
   現在までに57種類のイペーを試験栽培して、タベブイア・アルバの「JS121117」のみが零下9.1℃を経験しても蕾まで健全であることを確認している。サンジョアキン市でもタベブイア・アルバが零下9℃に耐えて翌春満開であったという情報がある。この樹種であれば、最低気温が零下9℃を下回らないつくば市や常総市で毎年開花する可能性があると考える。この樹種を確認できていなければ、常総市でのイペープロジェクトにご協力ができなかっただろう。



















差出人: 前田 久紀
送信日時: 2016年11月3日 20:08
宛先: watasitatino50nen@freeml.com
件名: RE: [watasitatino50nen:22712] Re: 前田宅イペーの耐寒性

 
北島さん
     前田です
有隅先生のコメントに矢継ぎ早ですみません。
北島さんが充分理解力のある方だと判りましたので、がっちりお話し致します。
先生と私は全く同じことを申し上げていますが具体的進め方のご提案です。
オペレーションその1:
「JS121117」の3.5mものや1mもの、数十センチものなど
数十本を来春提供させて頂く約束を致しております。
これらは、ブラジルから種子が送られたF1です。
先日のメールでお願い致しましたが、試験栽培として位置付けて
頂き、最優秀の木を選抜して頂きたいのです。
開花するようになったら、関係者の皆様に判りやすいように
「美人コンテスト」ならぬ「最優秀イペーコンテスト」をやって、
1種類を選抜して頂きたいのです。
オペレーションその2:
近日中に池田さんから再度「JS121117」の親木から採種された種子が
届きます。これを即刻お届け致しますので、関係者に配布して
開花させて、オペレーションその1と同じコンテストをやる。
オペレーションその3:
柳井市に「JS121117」の苗を48本提供し、前田農園の同級生に先行して
開花しています。来年開花した中から最優秀品の種子を確保して頂くように
依頼します。これはF2になり、上記の物より更に優良品である可能性があります。

常総市や日本に広めるイペーはこれらの中の最優秀品であるべきです。
常総市の関係者の皆様には、北島さんが上記のことを咀嚼されたうえで
平易にお伝え頂き、実行して頂ければ有難いです。





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2016年10月28日金曜日

捨てたイペーの幹の切断片から発芽

 2016年6月16~20日に根廻しをしたイペー、タベブイア・アルバ「JS121117」(樹高約2.5~3.5m)が、24本中12本の活着状態が悪く、枝から幹迄枯れてきたので逐次幹の生きている部分で切断した。来春出荷の可能性が出てきたために急に行なった根廻しの時期が遅すぎた。10月28日現在、切断した12本中11本が幹から発芽を開始しており、残りの1本も発芽しそうで、枯れ死はゼロで済むようだ(29日追記:発芽を確認)。
 10月28日の夕方、畑を巡回中に切断して捨てた幹の小片から発芽しているのを発見した。調べたら6月18日に根廻しをして8月3日に切断したものだった。
  通常、生きている部分を確認して1回の切断で終わるが、時に切断面の形成層や木質部の一部に枯れた部分が残る場合があり、その場合はもう一回少し下で切断し直す。その際小さな切断片が発生するが、当然これは捨てる。
 今日発見したのは、この捨てた部分が約3ヶ月かかって発芽したものである。大きさは、直径3.5cm、長さ4cmである。根元側の切断面には立派なカルスが形成されていた。ここから根が伸びることは間違いない。即刻、その場に植えてやった。夏場、繁っていた雑草がこの小片の生命維持を、多少なりとも助けたのではないかと考える。
 過日、直径1mmの新芽の挿し木(挿し芽)が活着したが、直径3.5cmも頑張っていた。 挿し穂の活力(タイミングが重要)や気温、湿度などの条件が偶然揃ったようだ。
 日本の草類や樹木に関して「春挿し」「梅雨挿し」「秋挿し」という言葉がある。今回は秋挿しならぬ「ほったら挿し」であり、イペーの生命力に大変驚いている。 幸福の木(ドラセナ)も顔負けである。
3ヶ月前に切断した小片(左)と発芽したその下部(右)

 立派なカルスが形成されている(ピンボケですみません)

植えた
ペットボトルで 保護、左端は同様の切断片があったので、拾って挿した



2016年10月26日水曜日

イペーの挿し木の自己最小記録

 今年の4月に神代植物公園殿にお届けしたイペー(樹種:Tabebuia alba)の送付時に整理した根を畑に挿し根した。挿し根の活着は順調で、9月中旬に発芽した無駄な芽を付け根からむしり取って7本くらい挿し木(挿し芽)した。写真右が一番先輩で、他にも活着したものが数本見える。挿したときの幹の直径は約1mmであったが、現在約1.5mmまで太った。  
   Tabebuia albaでは挿し根からの発芽でないと、このような小さな挿し芽は得られない。活着率は約80%。写真中央は、つま楊枝(直径2mm)。
 挿し根では直径3mm程度が活着の最小記録である。

2016年10月21日金曜日

日伯イペーサミット in 上総一宮

  2016年10月7~9日、上総一宮のアメリカントレーラーハウス(稲見正治朗氏経営)で開催されたイペーサミットの様子です。

2016年10月19日水曜日

カサドール産のイペーの成長速度

 ポルトアレグレ産のイペーの矮性と開花特性に注目していましたが、矮性に関してはカサドール産(T.albaと見ている)もほぼ同等かそれ以上と評価できそうです。8本を畑に移植したのですが、鶏糞の与え方が悪く、2本になりました。又、1本は19cmと小さく、これは樹種の遺伝的な性質ではなく、生育不良の影響のようです。
 種子を提供して頂いたブラジル在住の北沢さんの情報では、親木の樹齢は50年で樹高は6mとのことです。ポルトアレグレ産と同様に期待の星です。
データ:
 ポルトアレグレ10本の平均樹高=75cm  播種時期=2015年11月16日
 カサドールの大きい方の樹高=52cm    播種時期=2016年1月11日
         (両方とも播種床はポリスチロールのトレイで、冬場は電気毛布で保温育苗)
 カサドールの葉の段数は11段、Plastochron(葉間期)は25.7日でポルトアレグレの23.8日よりやや長い。節間寸法は4.7cmでポルトアレグレの5.4cmに比べてやや短い。すなわち、カサドールがポルトアレグレに比べてやや矮性ということになる。
  クリチーバの「JS121117」がどのような位置づけになるのか気になったので調べた。幼木では挿し根したものしかないが、その中の4月18日に挿した約10本を調べた。樹高平均74cm、節間寸法は6.7cmであった。上記の二者より長いが、サンジョアキンの8.3cmよりかなり短い。勿論、挿し根なので単純な比較はできない。
 カサドールはサンタカタリナ州の最近数十年間の気温の最低を記録した地区であることを調べ上げ、この地区に繋がりのある北沢さんを探し当ててご協力を頂き、当地のイペーの種子の入手に成功した。カサドールが気温の最低記録の地であることを確認した資料を下に示す:
  http://kirishiman.blogspot.jp/2015/09/blog-post_4.html

カサドール産イペー2本



2016年10月17日月曜日

ポルトアレグレとサンジョアキンのT.albaの比較

 ポルトアレグレは1種類、サンジョアキンは9種類のT.albaを試験栽培しています。ポルトアレグレとサンジョアキンの性質に大きな違いが出てきましたので、両者を比較します。サンジョアキンはSJ-4(19本)を代表選手にします。
比較表
①播種時期はポルトアレグレが2.5ヶ月早いにも拘わらず、平均的な樹高が約半分である。仮に同時期に播種すれば、もっと大きな差がつくことになる。現在、SJ-4は2cm/日の速度で伸びているので、全くの推測であるが1ヶ月分だけ補正すると、あと60cmは伸びることになり200~220cmになる。すなわち、ポルトアレグレはSJ-4の1/3の樹高ということになる。
②葉の段数の平均はポルトアレグレが14段、SJ-4が18段で、節間寸法は75/14=5.4cmと150/18=8.3cmとなり、ポルトアレグレの方がSJ-4の65%と大変短い。これも、①と同様の計算をすると、もっと大きな差がつくことになる。
③サンジョアキンの9種類の内部比較はまだ難しい。小型のものもあるようだが、全体的にポルトアレグレより格段に樹高が高い。
④Plastochron(葉間期)の平均値はポルトアレグレが23.8日、サンジョアキンが14.3日と大きな差がある。



2016年10月10日月曜日

ポルトアレグレのタベブイア・アルバ

 タベブイア・アルバの種子の莢です。長さは約50cmです。
  ポルトアレグレ市にタベブイア・アルバは3本しかありません。その様子は下記参照:
   http://kirishiman.blogspot.jp/2016/07/blog-post.html


  和田さんの記録:
≪タベブイア・アルバの種子の莢≫  採種時の写真です。
  ポルトアレグレ出発の10月3日〈月)の午前中の散歩時採種
 
イメージ 1

 
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2ヶ月前後に亘り開花する証拠写真
 どうしたら1本の木で、2ヶ月近くの開花がありうるのでしょうか? そのヒントは、近縁のTecomaにありました。Tecomaはその系統の如何によって、開花後の花穂の遺存軸から、新しい花が新生されることがあるのです。このような開花後の咲き柄から新しい花が生じる、そしてその新生の繰り返しがイペーでモノにできれば、2ヶ月という長期連続開花も夢ではないことになります。
 下の写真が、その証拠です。発育途上の蒴と開花中の花が同一花房の中に同居していますよね。(有隅先生のコメントより)
イメージ 6
メモ:
   前田農園のイペーの中に、樹高4mものが2012年2月3日の零下7℃で根元まで枯れ下がり、そのひこばえが成長して、2015年2月9日の零下5.3℃では花蕾が全く傷まず開花した、宮崎から導入した樹種(多分T.chrysotricha)があります。このレベルでは日本全国展開は無理なのです。
 昨年初めて1個だけ着蕾したものが、昨冬の零下9.1℃を無傷で乗り切った樹種(クリチーバ産のT.alba、播種4年目)があります。春先に蕾が膨らんだのですが、初産のためか葉の繁りが先行してアボートしました。初産でなければ開花しただろうと思っています。同種の樹高4mものが約20本、今年挿し根したものが約60本生長中です。同じトレーに播種した同級生が、温暖な柳井市で播種後3年目の昨春、数本が見事に開花しています。
 これと同種のT.alba(ポルトアレグレ産)1種類を昨年11月から、サンジョアキン産7種類を今年2月から試験栽培して更に耐寒性の強いものを確認しようとしています。この樹種はサンジョアキンでは蕾が零下9℃に耐えて翌春見事に開花した経験があります。
 ポルトアレグレ産10本が、葉が小さくて成長が遅く(サンジョアキンの半分)、特異な性質を示しており、注目しています。これらは、今回和田さんが持参された莢と同じ親木から採取された種子が育ったものです。大変楽しみです。


「花中花性」についての有隅先生のコメント(メールの転記):
[16-10-18]
前田さん 和田さん 池田さん 「花咲爺の会」の皆さん
                                  有隅です 
和田さんのPorto Alegreの、T.albaの写真を見て、私が10数年に亘り探求し続けた「そのもの」に巡り会えて、あっと驚き、かつまた感動しました。
1997年8月19日、地球上にこのような美しい花があったのかと、自分の無知さ加減に恥じ入るとともに、一方では大感動をした日でした。モノはIpe roxo(Tabebuia heptaphylla)、場所はア国の職場に通う、DeVoto駅のすぐ横でした。車窓から見たのです。
実はこのIRが、そんじょそこらに例のない、大変な傑物だったことも、私には幸運としか言いようがありませんでした。それはその花期が普通の花木では凡そあり得ない長期……咲き出しから終りまでが、1本の樹で2ヶ月近くにも及ぶという、「三日見ぬ間の桜」とは真反対の素質を持っていたからです。
勿論、咲き出しと咲き終わりでは花数は少なくなります。が、その中間では爛漫開花が延々と続き、そして2ヶ月近く後に花が終わってからどっと新芽が噴出し、次の発育が始まるのです。大多数のIRがチラホラと開花して、直ぐに 次の発育相に入るのとは、大変な違いでした。
この性質を持ったイペーを創り出したい……これが私の育種目標の1つになりました。そしてその「芽(手掛かり)」を今日まで探し続けていたのです。
さて、どうしたら1本の木で、2ヶ月近くの開花がありうるのでしょうか? そのヒントは、近縁のTecomaにありました。Tecomaはその系統の如何によって、開花後の花穂の遺存軸から、新しい花が新生されることがあるのです。このような開花後の咲き柄から新しい花が生じる、そしてその新生の繰り返しがイペーでモノにできれば、2ヶ月という長期連続開花も夢ではないことになります。
添付した写真が、その証拠です。発育途上の蒴と開花中の花が同一花房の中に同居していますよね。
(1)このような花の新生が (2)花穂軸の各所で、それも小さい単位で、繰り返し起こること (3)それも樹冠全体の全花房で同時並行的におこること (4)そうすればDeVotoのような、1本の樹で延々と爛漫開花が続くことになります
発生時を異にする枝に経時的に開花を続ける、四季咲きということがありますが、一時に開花する花数はどうしても少なくなります。これに対してDeVotoのような開花は、春1回だけの開花ですが、爆発的な爛漫開花を かなりの期間に亘って、楽しむことが出来ます。
イペーの開花特性からは、2つとも望ましい素質で、道は遠いですけれど追い続けたいと思ってきました。

和田さんにお願いですが、この現象はPorto Alegreのこの個体でたまたま見られた現象でしょうか。それとも常時起こっていることでしょうか。教えて戴けると有難いです。
池田さん、Curitibaのイペーでは如何でしょうか。このような「芽(手掛かり)」を持つ採種母本が見付かったら、それこそ感激モノです。「そう言えばあの木は、随分長いこと咲いていたなぁー」というのはなかったでしょうか。それも裸の樹のままで……

前田さん
    有隅です

「花中花性」については、添付ファイルに「私の覚え書」として纏めたものがありましたので、ご覧ください。

その写真(3頁)は和田さんのブログにあったものです。また6~7頁にかけて、この「花中花性」について、皆さんに説明をしていますが、DeVotoで見たイペーロッショの2ヶ月近くに及ぶ連続開花は、もっと細かな単位での小花の連続的形成でないと、ありえないと思っています(3頁の写真は、間の開き過ぎた大きな単位での新花房形成。だから「間が抜けた形」になっています)。

イペーの小花の花梗には、中途に節(生長点)があって、これが動いて新小花を作り(節の両腋芽が動くので2小花)、更にその次の腋芽が動いて2小花を作る、そしてまた次も――つまり2×2×2×2……という具合に小花が連続的に形成されて大きな花房になりますが、これが一時に(同時に)どっと咲いてどっと終るのではなく、次々に一方では咲き、他方では新花新生が起ると、DeVotoのような理想的な連続・爛漫開花がありうる、と思っています(DeVotoは、樹高20mという高い樹冠での現象でしたので、残念ながら手に取ってみることは出来ませんでした)。

「花房の中で遅れて咲くものがあるのでダラダラ咲き」だけでなく、花房中での新花の新生もある、ということです。但し、この現象を手の届く高さで確認したことはありません。何とかそのようなイペーを創り出したい、と言うのが私の夢です。


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2016年10月6日木曜日

「タベブイア・アルバ:池田邸前」の日本での生育の様子

 昨冬、イペーで唯一零下9.1℃を無傷で乗りきった標記樹種で、ロットNo.「JS121117」の生育状況を記録しました。写真は全て10月6日の撮影です。
 明日から明後日にかけて、南房総で約20名が参加して開催される
「日伯イペーサミット」(自称)に持参するために撮影したものです。茨城県常総市の「イペープロジェクト」や群馬県大泉町にご提供するイペーを選定するための資料になればと考えています。


6月に根廻しをした3.5~4mもの、約10本(支柱があるもの)。
全部で約20本根廻しをしたが、時期が遅すぎて活着が悪く、
8本を根元で切断して再生中。
 
4月に神代植物公園殿に苗を送った際に採取した不要根を
挿し根したもの。1m近く伸びている。約10本。

5月から6月にかけて挿し根したもの。樹高10~30cm、約40本。
 
第3圃場全景:
左端の畝が4月に挿し根した約10本
 
右の畝はサンジョアキンからのタベブイア・アルバ7種類。
今年2月2日に播種して5月7日に苗床から移植した。
最大1.7mまで伸びた。

クリチーバの池田邸前の親木:樹齢27~30年。





2016年9月19日月曜日

サンジョアキンからのイペー:タベブイア・アルバの成長速度

 サンジョアキンからのタベブイア・アルバの夏場の成長速度を観察しました。2016年8月20日から9月19日までの30日間で30cm伸びました。宮崎の近藤イペーやポルトアレグレの和田イペーの例に比べて、播種の季節が若干異なりますが単純に比較すると、樹高の伸長速度はほぼ1/4で、驚異的な差があります。感覚的な評価ですが、ガッチリ型で耐寒性を確保しているように感じます。
      2016年10月19日追記:
その後1ヶ月の成長速度の記録です。


2010年9月1日、ポルトアレグレイペーなどの成長記録:
      http://kirishiman.blogspot.jp/2010/09/blog-post.html


2016年2月2日のサンジョアキンイペーの移植の様子:
  http://kirishiman.blogspot.jp/2016/05/blog-post.html

2016年9月18日日曜日

モリンガを育てて葉の粉末750gを製造


 2016年春、ブラジルからモリンガの種子が届いた。早速播種して約50本を育てた。9月15日に枝付きで約10Kgを収穫し、18日迄かかって750gの粉末にした。自家消費する。


収穫後の畑。再度発芽する、うまくいけばもう一回収穫する。

利用部分を乾燥する(金網トレー5枚分、約10Kg)

利用部分を採取したあとの幹

 自家製乾燥機にセット:
60℃以下で急速乾燥1回目一気に15時間
その後、2日間自然乾燥と短時間の温風乾燥を数回繰り返す。

 温風発生機

乾燥後のモリンガ

 荒篩い

 再篩い

 微粉砕(750g)

粉末の色はみごとなグリーンです。






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2016年9月11日日曜日

イペー・ヴェルディ(Ipe verde:Cybistax antisyphilitica)が開花:2016

 9月10日の様子です。きれいです。昨冬、零下9.1℃で根元まで枯れ下がった木が、ひこばえで1mまで復活した2本の頂点に開花しました。花をよく見ると蟻が多数這っています。
 8月29日の着蕾の様子は下記です。
   http://kirishiman.blogspot.jp/2016/08/blog-post_21.html
  昨年の開花の様子は下記です。
   http://kirishiman.blogspot.jp/2015/08/blog-post.html


2016年9月5日月曜日

イペーの移植と挿し根及び挿し木の適期に関する検討


 2000年にイペーを1本庭に植え、2009年から日本国内にイペーを展開すべく、53種類以上の試験栽培を行ってきました。多くの皆様のご協力で、タベブイア・アルバが抜群の耐寒性を有することが確認できました。そのタベブイア・アルバの中でも耐寒性に優劣があり、昨年から新たに9種類を加えて、タベブイア・アルバだけでも合計約15種類を試験栽培しています。イペー全部では淘汰されたものを除く約40種類を育てています。
 今春のタベブイア・アルバ、ロットNo.「JS121117(親木は池田邸前、2012年11月播種)」の大量の移植(畑での根廻しや試験栽培先、ご近所への移植)及び挿し根、挿し木の試験結果などから、最適なイペーの移植、増殖時期について考察しました。(写真はすべてクリックで拡大します)

 その1.  4月18日:
 東京の神代植物公園殿向けに、タベブイア・アルバ1.5mものを2本発送した。大きくなりすぎて宅急便で搬送できなくなりそうだったので、予定より時期を早めた。この際、17本挿し根をし、15本が活着し、活着率は88.2%であった。成長は極めて順調。8月5日現在、樹高約1m。

その2.  6月5~8日:
 タベブイア・アルバの増殖が必要になったので、樹高約3mの木からサンプリングして挿し根と挿し木をした。探り掘りした根を142本、不要枝を整理したもの58本を挿し床に挿した。挿し根は48本が活着し、活着率は「その1」に比べてかなり悪く33.8%であった。挿し根の時期が約50日遅れたために大きな差がついた。活着した挿し根の直径は3mmから20mm程度である。
 挿し木の活着率は予想外の0%であった。時期が遅すぎた。従来の経験ではイペーの挿し木や挿し根は時期が適切であれば極めて容易である。
 
挿し木は全滅。


その3.  6月16~20日:
 樹高約3mの木を、来春出荷する可能性が出てきたので、根廻しをすることにした。これが、挿し根に関して惨憺たる結果を招いた。
  ①16~19日に比較的小型の3m以下のもの19本の根廻しを完了、挿し根を123本し5本が活着した、活着率は4.1%で話にならない。



  ②20日に時期が遅いので実行を迷っていた3.5mもの5本の根廻しを決行し、挿し根を畑2ヶ所に70本した。7本が活着し、活着率は10.0%で話にならない。


  更に、根廻しをしたイペーの樹高が高い順に枯れ始めた。根廻しの時期が遅すぎた。8月3日に5本を生きている部分で切断した。下部からの発芽を期待しているがどうなるかわからない。残念無念。



 大半は落葉もせず活着した。


 結論 

    日本で植栽実績が少ないイペーに関する移植や増殖技術の難しさを感じています。現在までの経験では、前田農園から国内へのイペーの移植の適期は、4月初めから5月末までと考えます。勿論、移植先の気候を考慮して決めるべきです。
  イペーは落葉樹に分類されていますが、常緑樹になりたがっている樹種ではないかと思います。特にポルトアレグレ市の風車小屋公園のイペーロッショにその性質を感じます。一般的に耐寒性が弱いロッショですが、「風車小屋ロッショ」は下手なアマレーロに勝ります。
 日本で、一般の落葉樹で行われる秋植えは未経験ですが、イペーでは危険だろうと思います。
   参考資料-1:挿し根の実行日程詳細
   http://kirishiman.blogspot.jp/2016/06/20166.html
  参考資料-2:降水量データ(牧の原観測所)